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業務効率化はAIのオマケである

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 12月17日
  • 読了時間: 3分
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AIの話をすると、ほぼ必ず出てくる言葉が業務効率化です。

資料作成が早くなる。

調査時間が短縮される。

人手が減らせる。


これらは事実です。ただし本質ではありません。

業務効率化は、AIを正しく使った結果として後からついてくるオマケです。

目的にするとズレる。結果として現れるものだと捉えた方が、AIは正しく機能します。




■AIが本当に増やしているもの


AIが最初に奪ってくれるのは仕事ではありません。

奪っているのは思考の摩擦です。


探す

整える

書き直す

説明用に噛み砕く


これらは思考に付随する作業であって、思考そのものではない。

AIはこの周辺作業を一気に肩代わりします。


その結果、時間が増えたように感じる。

正確には、可処分時間の密度が上がる。


同じ1時間でも集中が途切れない。

考えが途中で中断されない。

これが体感としての時間増加を生みます。




■可処分時間が増えると起きる変化


可処分時間が増えると、人は何をするか?

多くの場合、考え始めます。


ここで重要なのは、AIは答えを出す装置ではないという点です。

AIは思考を重ねていく装置です。


1つのテーマに対して

仮説

反論

例外

極端なケース

別業界からの類推


これらが同時に立ち上がる。

人間ひとりでは順番待ちになる思考が、同時並行で走り始める。


私はこの状態を、思考の多重構造と呼んでいます。




■思考の多重構造がもたらすもの


思考が多重構造になると、決断が軽くなります。

迷いが消えるわけではありません。

迷いの正体が言語化される。


なぜ迷っているのか?

どこが不安なのか?

どの前提が揺らいでいるのか?


これが見えるようになる。


結果として、意思決定が早くなる。

失敗のコストが下がる。

挑戦の回数が増える。


この連鎖の末に、業務が効率化されたように見えるだけです。




■業務効率化を目的にすると失敗する理由


AI導入の目的を業務効率化に置くと、だいたい次の現象が起きます。


考えなくていい仕事をAIに渡す

考えるべき仕事までAIに渡す

思考が空洞化する


これはAIの問題ではありません。

使い方の問題です。


AIは省力化マシンではない。

思考の役割分担を再編する装置です。


考えたいテーマをAIに渡したとき、仕事の構造そのものが変わります。

早く終わるのではなく、深く進む。

 


■AI時代に問われるもの


AIを使っている人ほど、忙しいのに余裕があるように見える。

それは時間が増えたからではありません。

思考が詰まらなくなったからです。


AI時代に問われるのは、どれだけ早く終わらせたかではない。

どれだけ深く考える余白を取り戻せたか。


業務効率化はAIのオマケ。

本体は、可処分時間と思考の多重構造。


そこに手応えを感じ始めたとき、

AIは単なるツールではなく、思考の土台になります。


〜〜〜〜〜


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