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風が吹きすぎた世界で最後に儲かる桶屋の話

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 6 日前
  • 読了時間: 4分
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風が吹けば桶屋が儲かる。


ビジネスや社会構造を少し引いた視点で見ると、このことわざは驚くほど現代にフィットします。


ポイントは、直接の原因と結果を見ないことです。

その変化によって、誰のどんな感情や行動が変わるのか?


さらに、その変化が積み重なった先で、何が欠乏するのか?


そこまで因果を伸ばしたとき、ようやく桶屋が見えてきます。

今回は、今の社会で誰もが実感している3つの変化を使って、あえて10段階先まで伸ばしてみます。


AIが普及した。

高齢者が増えた。

夏が暑くなった。

一見バラバラな話ですが、最後は同じ場所に着地します。



■AIが普及した、その10段階先にある桶屋


AIが普及しました。

仕事は効率化され、誰でも一定水準のアウトプットが出せるようになりました。

その結果、個人の工夫や努力の差が見えにくくなります。

評価基準は曖昧になり、頑張っても報われている実感を持ちにくくなります。


次に起きるのは、キャリア設計の崩壊です。

何を積み上げればいいのか分からない。

スキルを磨いても優位性が続かない。


仕事の相談は、次第に人生相談へと変わっていきます。やがて、人は自分は何者なのかという問いを抱えます。


他人との違いを説明できなくなり、成果ではなく存在そのものを肯定してほしくなります。

この段階で求められるのは、AIの使い方ではありません。


人生を一貫した物語として編集し、意味づけできる人。

仕事や経験を、点ではなく線で語れる人。

ここに、AI時代の桶屋が現れます。



■高齢者が増えたその10段階先にある桶屋


高齢者が増えました。

医療や介護の需要が増え、制度やサービスは拡充されていきます。

しかし、家族だけで支えることは難しくなり、見守りや代行サービスが増えます。それでも孤立は進みます。身体は生きていても、会話や役割が減っていきます。


生きている実感が薄れ、何のために長生きしているのか分からなくなります。


この段階で問題になるのは、健康ではありません。

意味の欠乏です。


誰かの役に立ちたい。

必要とされたい。

その欲求が、年齢とともに強くなります。


ここで必要になるのは、介護の延長ではありません。高齢者の経験や年齢を価値に変換し、新しい役割を設計する存在です。


支えるのではなく、活かす。

ここにも、次の桶屋がいます。



■夏が暑くなったその10段階先にある桶屋


夏が暑くなりました。

外出は減り、人と会う機会が減ります。

地域イベントは減り、偶然の出会いが消えていきます。


人間関係は固定化され、刺激が減ります。

刺激が減ると、感情が動かなくなります。

季節を感じる機会も減り、時間の流れが平坦になります。

毎日が同じように過ぎていく感覚です。

この先で価値を持つのは、涼しさそのものではありません。


感情を動かす体験です。

季節を思い出させる演出です。

記憶に残る時間を意図的につくることです。

冷房や断熱ではなく、夏を感じる理由をつくる人。

ここに、気候変動時代の桶屋が現れます。



■3つを並べると見えてくる共通構造


AIの普及。

高齢化。

気候変動。

これらはすべて、人間の外側を変えています。

便利にする。

長生きさせる。

安全にする。

しかし、人間の内側は追いついていません。

意味。

役割。

物語。

感情。

季節。

これらは最適化できない領域です。

だからこそ、社会が進めば進むほど、後工程として必ず欠乏します。

風が強く吹くほど、その裏側で静かに桶屋が準備を始めます。

しかも、その桶屋は流行ってからでは見えません。

説明しづらく、理解されにくく、最初は意味不明に見えます。



■風が吹きすぎた世界で何を売るのか?


これからの桶屋は、物を売りません。

効率や正解も売りません。

人間が人間でいられる余白を売ります。

意味を与える。

役割をつくる。

物語を編む。

感情を動かす。

季節を取り戻す。

この視点でニュースを見ると、ほとんどすべてが未来の桶屋候補に見えてきます。


直接の需要ではなく、その先で何が欠けるのか。

そこまで因果を伸ばせるかどうかが、ビジネスの視界を決めている気がします。


風が吹きすぎた世界で最後に儲かるのは、

人間に戻るための装置をつくれる人なのかもしれません。


〜〜〜〜〜

AI未来鑑定士 / リクルートストーリーテラー

合同会社Lepnet 代表社員 加藤勇気

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