政治に関心を持たないという関心
- yuki kato
- 5 日前
- 読了時間: 3分

政治なんて興味がない
選挙も行かないし、ニュースも見ない
そんな声はよく聞く。
でも、それは本当に「無関心」だろうか。
むしろ私は、そこに強烈な関心が隠れているように思う。
政治に対して希望を持てなかったり、信じるに値しないと感じたり、ただ単に距離を取りたいと思った結果、「関心を持たない」という態度にたどり着いているのではないか。
つまり、「無関心」ではなく「選択的な距離感」だ。
■関心を持たない理由は、思考の結果
政治に関心を持たない人たちには、理由がある。
たとえば
・投票しても何も変わらないと思っている
・専門用語が多すぎて理解する気になれない
・茶番のような国会に嫌気が差している
・制度よりも、目の前の暮らしのほうが大事だと思っている
こうした背景を持つ人が、「政治はもういい」と静かに距離を取っている。
決して、何も考えていないわけではない。
むしろ、深く考えた結果、「自分の人生には別のアプローチがある」と判断していることもある。
■興味はない、けれど不満はある
政治に興味がないという人でも、こんなときには反応する。
・税金が高い
・保育園が足りない
・ガソリン代が上がった
・医療費や年金が不安
・戦争のニュースに心がざわつく
つまり、「政治そのもの」には関心がなくても、
「政治の影響を受ける生活」には、しっかりと反応している。
このことからも、「政治に関心を持たない人」など本当はいないのかもしれない。
ただ、関心を向ける先が違うだけだ。
■自分の生活圏をデザインする人たち
一部の人たちは、こう考え始めている。
政治に期待しても変わらないなら、自分の生活圏を変える方が早いと。
・都会を離れて地方で起業する
・コミュニティで助け合いながら暮らす
・小さな経済圏をつくって循環させる
・制度ではなく感覚や共感でつながる
彼らは、政治に文句を言う代わりに、日常を自分の手で作り替えている。
これは「逃げ」でも「諦め」でもない。
むしろ、制度とは違う方法で社会と関わる、もうひとつの政治的な行動だ。
■半径5メートルの設計図
政治が動かすのは「制度」だが、私たちが動かせるのは「空気」だ。
・週末にマルシェを開く
・育児中の親どうしで送迎をシェアする
・地域の空き家をリノベーションする
・ゴミ拾いや子どもの見守りを始める
どれも法律や予算を動かすわけではない。
でも、まちの景色を変え、人と人の関係を変え、暮らしの質を変える。
それは制度よりも、実感を伴った変化だ。
誰かが決めたルールではなく、自分たちで選び、試し、修正しながら進める。
こうした動きが、次の時代のリアルな「政治」になるのかもしれない。
■無関心に見える人が、実は熱を持っている
政治に関心を持たないという態度の中には、いろんな感情がある。
・怒り
・諦め
・疑問
・疲れ
・不信感
そのどれもが、「もっとこうなればいいのに」という理想の裏返しだ。
だからこそ、政治に関心を持たない人たちは、無力ではない。
むしろ、新しい時代の担い手かもしれない。
彼らは、制度ではなく感覚で動く。
投票よりも、行動で表現する。
議論よりも、実践で世界を変えていく。
■政治に関心を持たないという選択は、何も考えていない証拠ではない。
それは、別の方法で社会と向き合うという創造的な選択だ。
大きな正しさではなく、小さなリアルを。
誰かの代表ではなく、自分の意思を。
声を上げるのではなく、手を動かすことを。
これからの時代、
政治に関心を持たない人たちが動かす「もうひとつの社会設計」に、私は期待している。
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