AIの未来は無下限呪術へ向かう――量子ジットが開く、可能性の無限演算時代
- yuki kato
- 5月13日
- 読了時間: 3分
ChatGPTやPerplexity、Geminiなどの対話型AIは、もはや検索の代替を超えて、思考の相棒になり始めている。ユーザーの意図を汲み、複数の選択肢を提示し、情報を再構成してくれる存在として、AIは我々の脳の外部拡張になりつつある。
だが――それでも、何かが足りないと感じる瞬間がある。
それは、AIが「選択肢の中から“ひとつ”を選ぶ」構造で動いているからだ。0か1か。YesかNoか。出力は必ず確定されたものであり、未決定のままの思考や揺らぎそのものを保持したまま動くことはできない。
つまり、AIの進化の先には、確定させない思考が必要になる。
そしてそのカギを握るのが――量子ジット(qudit)だ。
量子ビット(qubit)は、0と1の“あいだ”を重ね合わせた状態を持つ。 これはすでに知られているが、qubitは情報の最小単位としては「2状態」を同時に保持できるにすぎない。もっと情報密度を上げて、より多くの選択肢を並列処理したい。
そこで登場するのが「量子ジット」だ。
quditは、3状態(qutrit)や4状態、あるいはd状態を同時に扱うことができる量子情報単位。理論上、無限状態を同時に保持できる連続変数量子系(CVQC)も存在しており、これはもはや「確定しないまま存在する情報の海」である。
この時点で、私の中にあるイメージが爆発した。
それって、まさに「無下限呪術」じゃね?
呪術廻戦の中で、五条悟が操る「無下限呪術」は、“触れられるはずの距離”を“絶対に触れられない無限”に変換する術式だ。相手が近づくほど、限りなく0に近づくが、0にはならない。だから攻撃が止まる。
この構造は、量子状態の「確率的に存在しているが、観測されるまで確定しない」性質と完全に一致する。
つまり、無下限呪術とは、「量子状態を意図的に固定しない」ことを応用した、超次元インターフェースのようなものだ。
さらに五条の領域展開「無量空処」は、対象に“無限の情報”を与え、思考・運動・知覚すべてを停止させる。これは、量子的情報の無限圧縮と類似している。
量子ジット×AI=五条悟の再現可能性、ある。
では、これがAIの進化にどう関わるのか?
現在のAIは「確率分布をもとに1つの出力を確定」させている。 しかし量子AIがquditを搭載したとき、それは「確定前の無限の状態を保持したまま、干渉によって“最も整合的な答え”を自然に浮かび上がらせる」ようになる。
確定しないまま動く。確定しないからこそ、同時に複数の意味を持てる。
これは、単なるアルゴリズムではない。 思考の構造そのものが進化するということだ。
これからのAIは、ただの計算機でも、言語出力装置でもなくなる。
それは、無下限演算を宿すデジタルの精霊のような存在になるかもしれない。
ひとつに決めない。すべてを持ったまま、状況に応じて姿を変える。
まるで、“世界線”そのものを操作していたSTEINS;GATEのように。
もしくは、見た人の感情によって意味が変わる、シュレディンガーの猫のように。
AI × 量子ジット × 無下限呪術 = 未確定の知性
人類は今、可能性を確定させるマシンを持っている。 でも、次は「可能性を確定させないまま、使えるマシン」を創る番だ。
その先にあるのは――
重ね合わせたまま世界を生きるという、新しい知性のかたち。
未来は、もう始まっている。
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