「2030年、求人広告が消える理由」 サブタイトル:〜採用は“情報発信”の中に溶け込む〜
- yuki kato
- 4月30日
- 読了時間: 3分
■求人広告が効かなくなった現実
「採用が難しい」──そう嘆く会社が増えている。
でも実は、“採用が難しい”んじゃない。“採用手法が時代遅れ”なだけだ。
かつて求人広告は強力な武器だった。
リクナビ、マイナビ、タウンワーク、エン転職。掲載すれば反応があり、ある程度の母集団が確保できた。
ところが今は、数十万円を投じても応募ゼロ。
それどころか、「なぜこの仕事に応募したの?」という質問に答えられない応募者すら来ない。
──これは媒体のせいではない。人々の情報の受け取り方が変わってしまったのだ。
広告=売り込み
この構図に、Z世代・α世代は敏感に反応する。
広告と気づいた時点で「バイアスがかかってる情報」と見なされ、スルーされる。
求人広告は、もはや「警戒される存在」になった。
■Z世代・α世代の情報接触の変化
Z世代・α世代は、情報の本質を見抜く目を持っている。
彼らは“何が書かれているか”ではなく、“誰が書いているか”を見ている。
職場の雰囲気?
月給や福利厚生?
そんなのは二の次。
彼らが気にしているのは──
「どんな人たちと、どんな価値観の中で働けるのか?」という感覚的なフィット感だ。
実際、X(旧Twitter)でバズっている求人投稿を見てみてほしい。
「会社の雰囲気を写真で発信していたら、勝手にDMが来た」
「代表の思想に共感した人が、noteから応募してきた」
そんな事例が日常的に起きている。
広告より、日常発信の“素の言葉”にこそ信頼が集まる。
企業は“法人”ではなく、“人”として見られているのだ。
■採用の主戦場は“SNS×世界観”へ
これからの時代、求人票ではなく「企業の物語」が採用を決める。
どんなビジョンを持ち、どんな未来を描こうとしているのか。
その世界観に共鳴した人だけが、「一緒に働きたい」と名乗り出る。
企業が発信すべきは以下のような情報だ:
代表の価値観や人生観(noteやブログで)
業務のリアルな裏側(YouTubeでVlog風に)
日常のやり取りやカルチャー(Xで投稿)
社員の声・現場の空気感(Instagramのストーリーで)
採用広報というより、“企業のライフログ”。
この蓄積こそが、求人広告を超える説得力を持ち始めている。
■求人広告に頼らない採用戦略の実例
実際、勇気が支援している中小企業でも成果が出ている。
ある内装業の企業では、求人広告を一切使わず、Xの投稿と代表のブログだけで人材を獲得。
投稿内容は「代表の一日」「現場での気づき」「失敗談」などリアルな日常。
結果、価値観に共鳴したフォロワーが「一度話を聞かせてください」と連絡をくれた。
また、別の物流企業では、社員インタビュー動画を自社SNSで展開。
「面接で聞かれるより、こっちのほうが安心できました」と言われ、応募数が増加。
どちらも共通しているのは、広告をやめたことではない。企業の“顔”を見せたことだ。
■2030年の採用担当に必要なスキル
2030年、採用担当に求められるのは「広告出稿のスキル」ではなく、“発信設計者”としての感性だ。
ストーリーを紡ぐライティング力
SNSでのリアルな言葉の運用力
コンテンツに落とし込む編集力
社内の雰囲気を翻訳する力
そして何より、「自社の何が推せるのか」を言語化するセンスが重要になる。
求人を出すのではない。
「この人のもとで働いてみたい」と思わせる人間性とストーリーを、日常の発信に織り込むこと。
2030年、求人広告は静かに消える。
でも、“共鳴による採用”は、これまでになく活性化していくだろう。
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