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陰謀論という名のビジネスモデル ―不安は、最高のセールスマン―

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 7月4日
  • 読了時間: 3分

■信じている人がいる限り、陰謀論は消えない


陰謀論はなぜこれほどまでに広がり続けるのか。

それは「信じている人がいるから」ではなく、「それを利用して稼いでいる人がいるから」だ。


コロナ、5G、ワクチン、地球平面説…ネット上には無数の陰謀が渦巻いている。

でも冷静に考えれば、それらの多くは検証不可能か、そもそも根拠が極めて曖昧だ。

それでも信じられ、拡散され、売り上げにつながっていく。


ここにこそ、「陰謀論という名のビジネスモデル」が存在している。

これは単なるデマではなく、人の感情に寄り添ってお金を生む仕組みなのである。




■陰謀論はストーリー型のマーケティング


陰謀論が成立するのは、まさにマーケティングの王道を押さえているからだ。


1 不安を煽る(社会が裏で操作されているという恐怖)

2 優越感を与える(気づいているあなたは特別)

3 仲間意識で囲い込む(SNS・オフ会・LINE)

4 解決策を売る(グッズ、情報、サロン、セミナー)


この流れは、どんな商材にも応用可能。

特に情報商材やスピリチュアル系では、物がなくても売れるという点で、陰謀論と非常に相性がいい。




■例:コロナ陰謀論が生み出した巨大市場


実際、コロナは陰謀だと主張することでどれだけの人とお金が動いたのか?


調査によると、日本国内で約30%の人が「コロナは作られた可能性がある」と答えている。

仮にその1%が情報商材やグッズを購入していたとすれば、24万人。

1人あたり1万5000円使っていたとしたら、市場規模は36億円になる。


この金額は、占いグッズ市場(約40億円)、自己啓発系セミナー業界(30〜50億円)とほぼ同等。

世界規模で見ると、1000億円を超える市場が陰謀論によって動いた可能性もある。


見えないもの、説明のつかないもの、社会への不信

これらをベースにした情報発信で、これだけの経済が回っている現実がある。




■陰謀論を信じるのは、バカだからじゃない


よくある誤解が、「陰謀論にハマるのは頭の悪い人」だという偏見。

でも実際は、大卒以上の知識層にも信じる人は多くいる。

むしろ、情報に敏感で、疑う癖がある人ほど逆張りにハマりやすい。


さらに、孤独、不安、社会不信。

そうした現代人の心のスキマに、陰謀論はぴったりハマる。


陰謀論がターゲットにしているのは、特殊な一部の層ではなく、

むしろ、今この社会に息苦しさを感じている普通の人たちなのだ。




■売っているのは、希望と安心


陰謀論を売っている人たちは、商品を売っているのではない。

売っているのは「答え」や「安心感」、あるいは「自分は正しい」という感覚だ。


そして、それらをパッケージングして

・月額制のオンラインサロン

・高額な講演会

・サプリやお守りのようなグッズ

に変換することで、収益が生まれていく。


顔出しせずに、年間1000万円以上を稼いでいる発信者も少なくない。

もはやこれは、「感情を操作する職業」とすら言える。




■学ぶべきは、人の感情構造


陰謀論をバカにするのは簡単だ。

でも、それが多くの人の感情とお金を動かしているという事実から目を背けてはいけない。


これはただの陰謀ではない。

人間の弱さ、欲望、承認欲求、孤独、そして希望。

そうした感情をベースに成り立っている、極めて人間らしいマーケティングモデルなのだ。


情報発信を仕事にするなら、この構造を冷静に見ておいた方がいい。

何を売るかではなく、どう人の感情を動かすかが、これからの時代を決める。

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