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虚言癖が加速すると人はどうなってしまうのか?

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 7月3日
  • 読了時間: 4分

世の中によくいる、いわゆる嘘つき。

最初は軽い見栄だったり、場をつくるための方便だったりする。

でもそれが日常化して呼吸のように嘘をつくようになると、本人すら気づかない危険な領域に入っていく。


虚言癖が加速すると、人はどうなるのか。

今回はそのメカニズムと、よくある実例、そして背景にある心理について書いてみる。




■ 虚言癖が進行するとどうなるのか?


虚言癖にはステップがある。最初は誰もが意図的につく嘘だが、それが習慣化すると以下のような段階に進んでいく。


1. 【意図的な嘘】

 自分を大きく見せるため、責任から逃げるため、計算のうえで話を捏造する。

→この段階では、まだ嘘をついている自覚がある。



2. 【反射的な嘘】

 会話の中で無意識に“盛る”“脚色する”ようになる。

→嘘と本当の境界線が曖昧になり、本人も違和感を感じにくくなる。



3. 【現実化する嘘】

 嘘を思い出として記憶しはじめる。

→本当はそうだったと本気で信じ込み、訂正や否定にも耳を貸さなくなる。




このフェーズまで来ると、自分の中の事実と外の世界の現実がズレてくる。

そして、周囲との関係も少しずつ壊れていく。




■ よくある虚言の具体例


虚言癖と聞くと特別な人間に見えるかもしれないが、実は誰にでも潜んでいる。

ここでは実際によくあるパターンを3つ紹介する。


1. ▽人脈や交友関係の誇張

有名人と飲んだ、〇〇社長と仲がいいなど、

本当は一度名刺交換しただけ、立ち話しただけの関係でも、

親しい関係だったように語る。



2. ▽過去の経歴の改ざん

昔は上場企業で役員だった、20代で独立して年商1億超えてたなど、

実際にはバイトや下請けの下積みだった部分をなかったことにして話す。

失敗や空白期間をうまく脚色するのも特徴。



3. ▽不都合な過去の消去

自分はあの件に関わってない、そんなことは言ってないと、

明らかに関与していた出来事を、まるで初耳のように否定する。

嘘というより、記憶自体が書き換えられているケースもある。




これらは一見、ただの“盛り話”に思えるかもしれない。

しかし、積み重ねられた虚言は、自分の中の現実構造そのものをゆがめていく。




■ 虚言がもたらす副作用


虚言癖が慢性化すると、一番の問題は「信頼の喪失」ではない。

本質的には“自己認知”の崩壊が深刻だ。


・言ったことを覚えていない

・なかったことを本当にあったと思い込む

・指摘されると「そっちが間違ってる」と否定する


ここまで来ると、もはや嘘ではなく別の現実を生きている状態になる。

そして周囲の人間は、静かにその人から距離を置き始める。


本人だけが気づかぬまま、信頼のゼロ地帯に突入していく。




■ 虚言は「自己肯定感の防衛装置」でもある


では、なぜ人は虚言に溺れるのか?


それは単なる癖ではなく、自分を守るための手段になっているからだ。

・本当の自分では認められない

・過去の失敗を隠したい

・他人より劣っていると思われたくない


そんな想いを埋めるために、理想の自分を語り、事実の自分を隠す。

嘘は、自己否定と戦うための最後の防衛線なのかもしれない。


でも、その防衛線を強化すればするほど、

本音、素の自分、等身大の対話ができなくなっていく。



■ まとめ:嘘に生きると、誰とも生きられなくなる


虚言癖が加速すると、人は現実からも、人からも、そして自分からも離れていく。

最初は傷を守るための嘘だったかもしれない。

でもそれを続けた結果、人と繋がれない孤独が残る。


もし身近に虚言癖かもしれないと感じる人がいたら、

単に責めるのではなく、何を守ろうとしてるんだろう?と想像してみてほしい。


そして、もし自分にも少しその傾向があると感じたなら――

今ここから、たったひとつでも「事実を正直に話す」練習を始めてみよう。

嘘の中では、心は絶対に癒えないから。

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