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小規模事業者がAIでアプリを作る方法 その三

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 9月30日
  • 読了時間: 3分
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■ 完成したウェブアプリを「使ってもらう」工夫


アプリは完成しただけでは意味がありません。

大切なのは「顧客やスタッフが日常的に使う仕組み」に落とし込むことです。


ウェブアプリはURLを共有すればすぐに利用可能ですが、リンクを送っただけでは浸透しません。

ここで力を発揮するのが「PWA(Progressive Web App)」です。


PWAを導入すればスマホのホーム画面にアイコンを設置でき、見た目は完全に専用アプリ。

ブラウザを開かず直接アクセスできるため、継続利用の確率が一気に上がります。




■ 内部利用から外部展開へ


まずは社内業務の効率化に使うのが現実的です。


・勤怠管理

・商談の進捗管理

・顧客データの共有


こうした用途なら試験的に導入してもリスクが小さい。

社内で成果が出たら、外部顧客向けに拡張していきます。


例として、飲食店の予約・ポイントアプリ、美容サロンの顧客管理アプリ、小売店のカタログ・注文アプリなど。

どれもウェブアプリから始められます。




■ 外注とAI自作のコスト比較


ここで最も気になるのがコストです。


一般的にネイティブアプリを外注すると「最低でも200万〜300万円」。

機能が増えると500万以上になることも珍しくありません。

さらに毎月の運用・保守費用として10万〜30万円が発生します。


一方、AIを活用して自作する場合、必要なのは以下の程度です。


・生成AIツールの月額(ChatGPTやClaudeで数千円〜数万円)

・クラウドサービス(FirebaseやSupabaseは無料枠あり、有料でも月数千円)

・独自ドメインやサーバー代(月数千円)


つまり、初期投資は外注の1/100以下に抑えられる。

もちろん工数は自分やスタッフが負担する必要がありますが、仕様変更や改善を外部に依頼せず自走できるメリットは大きい。


コスト構造をざっくり比較すると次の通りです。


外注:初期300万円+月額15万円

AI自作:初期1万円〜3万円+月額5千円〜1万円


小規模事業者がまず試すなら、AI自作の選択は非常に合理的です。




■ アプリは「改善のための鏡」


アプリを導入すると、ユーザーの行動データが集まります。


・どの機能がよく使われるか

・どの時間帯にアクセスが集中するか

・どの画面で離脱が発生しているか


こうしたデータは経営改善のヒントになります。

さらにAIを使えばログデータを自動で分析し、改善策を提案させることも可能。


これまで大企業しかできなかった「データドリブン経営」を、小規模事業者でも手軽に実現できる時代になりました。




■ ネイティブアプリへの橋渡し


ウェブアプリで効果が出てきたら、将来的にネイティブアプリを検討しても遅くはありません。

しかもその時、ゼロから作る必要はありません。


AIで作ったコード、運用で蓄積したデータ、ユーザーからのフィードバック。

これらはすべて資産となり、開発会社に依頼する際の仕様書になります。


無駄な投資をせず、次のステップに進めるのです。




■ まとめ


「その一」ではなぜウェブアプリから始めるべきかを解説しました。

「その二」ではAIを使った開発の流れを紹介しました。

そして今回の「その三」では、完成したウェブアプリをどう活用し、外注とAI自作でどれだけコストが違うのかを比較しました。


要点を整理すると次の通りです。


・PWAで専用アプリのような体験を提供できる

・社内利用から顧客向けに段階的に展開できる

・外注は数百万、AI自作は数万円規模に抑えられる

・利用データを分析して改善につなげられる

・将来的にネイティブアプリへ移行する際の基盤になる


小規模だからこそ、小さく始めて柔軟に改善できる。

AIとウェブアプリを味方につけることは、最小コストで最大の可能性を切り開く戦略となります。




AI未来鑑定士 / リクルートストーリーテラー

合同会社Lepnet 代表社員 加藤勇気

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