親が倒れた?統計で暴く必殺言い訳の真実
- yuki kato
- 9月29日
- 読了時間: 3分

就活の面接や初出勤の朝。
緊張感が走るそのタイミングで、よく聞こえてくる言葉があります。
すみません、親が倒れまして…
社会人の世界ではおなじみのドタキャンワード。シリアスすぎて突っ込めないし、言われた側は同情するしかない。まさに最強カードのひとつです。
けれど、これを統計で見てしまうと、笑いを堪えるのが難しくなるほど現実とのギャップが浮かび上がります。
■数字で見える確率の小ささ
日本では年間約664万人が救急搬送されています。人口はおよそ1億2400万人。単純計算で、1人が1年間に搬送される確率は約5.3パーセント。
これを365日で割ると、1日あたりの確率は0.015パーセント。およそ6800日に1度です。
では父母2人に限定したらどうなるか。
・両親とも65歳未満の場合 → 0.015パーセント(1/6800日)
・片方が65歳以上の場合 → 0.038パーセント(1/2600日)
・両親とも65歳以上の場合 → 0.062パーセント(1/1600日)
こうして見ると、当日そのタイミングで親が倒れる確率はかなり低い。もちろんゼロではないけれど、現実にはほとんど起きないことが数字で明らかになります。
■嘘である可能性は99パーセント以上
逆に考えれば一目瞭然です。
親が倒れたという言葉が真実である確率は0.01から0.06パーセント。裏返せば99パーセント以上の確率で嘘、あるいは別の理由である可能性が高い。
つまり面接官や上司が冷静に数字を知っていたら、心の中でこう思うかもしれません。
またそのカードを切ってきたか、と。
しかし表情に出すことはできません。なぜなら実際に起こっているかもしれないからです。
■ゼロではないからこそ信じざるを得ない
ここに社会の皮肉が潜んでいます。
確率的にはほぼ嘘でも、ゼロではない。実際にその日に親が倒れる人は存在する。だからこそ一律に疑うことはできないのです。
もし本当に救急搬送されていたのに疑ってしまえば、悪者になるのは疑った側。だからこのフレーズは絶妙な効力を発揮します。
統計を突きつければ嘘に見える。けれど現実には本当にそうなっているケースもある。このグレーゾーンが、社会を微妙なバランスで支えているのです。
■数字で見た社会のブラックユーモア
言い訳というのは、基本的にあり得ないことを選んでしまうとすぐに嘘だとバレます。だからこそ人は本当に起こり得る、けれどそうそうは起きない事象を言葉にする。
親が倒れたというフレーズは、その極致にある言葉です。確率的にはほとんど起こらないが、もし起これば完全に正当化される。数字を知れば知るほど、人間社会の不思議なコメディ性が際立ちます。
■まとめ
・親が倒れる確率は1日あたり1/1600から1/6800程度
・嘘である可能性は99パーセント以上
・ゼロではないからこそ社会はこの言葉を信じざるを得ない
数字は残酷に真実を突きつけます。
しかしその一方で、数字が示す低確率だからこそ、言い訳としては絶妙な効力を持つ。
人は嘘と真実の狭間を漂いながら生きている。
親が倒れたという言葉は、まさにその象徴なのかもしれません。
AI未来鑑定士 / リクルートストーリーテラー
合同会社Lepnet 代表社員 加藤勇気








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