我々は人間というデバイスである。──思考と身体のOSを解析する
- yuki kato
- 5月31日
- 読了時間: 3分
■人はなぜ想像だけで身体が反応するのか?
レモンを想像しただけで唾液が出る。
高所を思い浮かべるだけで膝が震える。
嫌いな人の顔を思い出すと胃がキリキリ痛む。
これらはすべて、現実ではないのに身体が反応してしまう例です。
つまり、我々人間は「入力された情報」をもとに「出力(生理反応)」を起こす、極めて繊細なデバイスなのです。しかもこのデバイス、現実と想像の区別があいまいです。
想像が現実になるほど精度の高いシミュレーターを脳内に搭載している。それが人間です。
■プラセボやノセボ効果はなぜ起きるのか?
医療現場で有名なプラセボ効果では、本物の薬でなくても「効く」と信じるだけで症状が改善することがあります。
逆に「これは体に悪い」と思い込むと、頭痛や吐き気が起きるノセボ効果も存在します。
これは脳が信じた情報が、生理反応に影響を与えている証拠です。
信じる=実行という構造の中で、私たちの身体は毎日自己プログラムされているのです。
■なぜ「無添加」「オーガニック」で安心するのか?
無添加、オーガニック、完全自然食といった言葉を見ただけで「安心」するのは、化学的成分ではなく、ストーリーに反応しているからかもしれません。
毒だと思えば毒になる。薬だと思えば薬になる。
人間の体は、信じたことに非常に忠実です。つまり、情報は体への命令文であり、感情や思考がそのまま体調に影響します。
■心が身体に与える影響の正体は?
嫌な記憶を思い出して胃が痛くなる。
人前で話す場面を想像しただけで手汗が出る。
恋をすると体が軽くなる。
これはすべて「思考というソフトウェア」が「身体というハードウェア」に影響を与えている例です。
つまり、思考で心拍も消化もホルモン分泌も左右されているということです。
■外部からの情報で操作されていないか?
SNS、ニュース、広告、インフルエンサーの言葉。
それらが毎日、あなたの脳にコマンドを送り込んでいます。
あなたの感情や体調は「自分で選んだもの」ではなく、「他人が入力したもの」で動いていることも多いのです。
だからこそ、情報のフィルターを持ち、自分のコマンドを取り戻す必要があります。
■人間というデバイスはどう活かせるのか?
人間というデバイスは、自動で動く機械ではありません。 でも、どんなコマンドを与えるかは選べる設計になっています。
希望ある言葉、前向きな解釈、人との信頼。これらが最良のアップデート素材です。
プラセボもノセボも、結局は「自分が自分に与えたコマンドの反応」。
■それを自覚する事
人間は科学を超える存在ではありません。
でも、科学を超える「意味づけ」ができる装置です。
だからこそ、身体を変えるには思考を変える。
現実を変えるには、まず入力する情報を変える。
私たちは極めて柔軟で、自己書き換え型のデバイスなのです。
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