海外旅行に行く方は注意!AIで詐欺も進化している話
- yuki kato
- 7月9日
- 読了時間: 4分

■ 旅行者を狙うAI詐欺の時代へ
近年、AIの進化が私たちの生活を大きく変えました。旅行の計画も、AIによる航空券比較、翻訳アプリ、チャットサポートなどで劇的に便利になりました。
しかしその一方で、詐欺師たちもAIという武器を手に入れています。
特に、海外旅行者を狙ったAI詐欺は、手口が巧妙かつスピードも早く、リアルタイムで被害が発生中です。今回は、最新の「海外旅行にまつわるAI詐欺」の事例と、旅行者が取るべき対策について徹底解説します。
■ 最新事例①:Booking.com公式チャットを使った詐欺
もっとも注目されているのが、「Booking.comを装った詐欺」です。しかも、ただ装っているのではありません。ホテル側のアカウントが本当に乗っ取られているのです。
【実際の流れ】
1. 宿泊予約をすると、数日後に公式チャットからメッセージが届く
2. 「予約内容の確認です」「支払い情報に不備があるため再入力してください」などと表示
3. メッセージ内リンクをクリックすると、本物そっくりの支払い画面へ
4. クレジットカード情報を入力→即不正使用
この手口が厄介なのは、「Booking.com公式チャット内」なので、宿泊者が疑う余地がほとんどないということです。実際、ヨーロッパでは70万ポンド以上の被害が確認されています。
■ 最新事例②:AI生成の偽ホテル・偽予約サイト
近年のAIは、画像・文章・レビューまでも本物そっくりに生成できます。
その力を悪用し、存在しないホテルや航空券を販売する偽サイトが乱立しています。
【具体例】
・AIで生成された高級ホテルの写真(外観、内装、朝食写真など)
・数百件の★5レビュー(全てAI文章)
・リアルな住所やGoogleマップ連携(実在の別ホテルや空き地を登録)
・予約ボタンを押すと、クレカ入力画面へ誘導
これらの偽サイトは、Google広告を使って「公式より上」に表示されることが多く、検索から直接アクセスしてしまうと一発アウトです。
■ 最新事例③:WhatsApp・SMSを使った偽連絡詐欺
旅行予約後や、出発直前にWhatsAppやSMSで届く緊急連絡にも注意が必要です。
【よくあるパターン】
・「フライト時間の変更がありました。以下のリンクで確認してください」
・「VISAの認証が不完全です。追加手続きが必要です」
・「緊急対応のため、こちらのカスタマーサポートにご連絡を」
どれも公式っぽく見え、AIチャット風の自動応答がとても丁寧です。
しかし、そのリンク先でパスポート情報やクレジットカード番号を入力させられるようになっています。
旅行会社や航空会社を名乗る詐欺連絡は、AIによってより自然でリアルな文章になっているため、本物と見分けるのが非常に困難です。
■ なぜAI詐欺は旅行と相性が良いのか?
旅行者が詐欺に遭いやすい理由は以下の通りです。
・旅の非日常で警戒心が緩む(移動中、時差ボケ、焦り)
・確認すべき情報が多く混乱しやすい(ホテル、航空券、VISA、乗換)
・SNSで「○月○日から○○旅行」と公言している人が多く、標的にされやすい
・チャットやメッセージのやりとりが一般的になり、偽メッセージでも疑いにくい
つまり、「タイミング」「心理状況」「情報の多さ」をAI詐欺は的確に突いてきます。
■ 海外旅行者が実践すべきAI詐欺対策チェックリスト
以下の項目に、ひとつでも該当したら慎重に行動しましょう。
・URLをクリックする前に「https」「正規ドメイン」「リンク先の正式ロゴ」を確認
・チャットでの支払い要請は原則無視、必ずホテルへ電話確認する
・予約確認や支払いに関するSMS・WhatsAppはスルーして、公式サイトから確認する
・不自然に美しいホテル写真やレビューには要注意。Google画像検索やストリートビューで逆調査
・やたら親切なカスタマーサポート(AI風)でも、リンクに誘導されたら即ストップ
■ 旅の自由を守るには、“リンク”と“思い込み”を疑え
AIが発展すればするほど、「公式にしか見えない詐欺」が増えてきます。
ただし、どの事例も共通しているのは「リンクを踏ませて情報を入力させる」点。
リンクをクリックしないこと、支払いは公式アプリのみを使うこと。
このルールさえ守れば、多くのAI詐欺は防げます。
■ AI時代の旅には、知識と慎重さが必要
旅を快適にするはずのテクノロジーが、旅の自由を奪う皮肉な時代。
だけど、事前に知っておけば防げるのもAI詐欺の特徴です。
「なんかおかしい」「ちょっと怪しいかも」
そう思ったら、その直感を信じて一度止まること。
それが、これからの旅を守る最善のセキュリティになります。
Comments