1日1万人が満足するには?ジャングリアの構造ごと再設計を本気で考えてみた
- yuki kato
- 8月4日
- 読了時間: 4分

沖縄に誕生したテーマパーク、ジャングリア。
最初は恐竜、自然、非日常といったキーワードで注目されたけれど、オープン後に聞こえてきたのは期待外れの声ばかりだった。
並んでも体験できない
炎天下で延々と待たされる
スマホも飲み物も預けさせられる
これはオペレーションの失敗というより、もっと根本的な構造のミスだと私は考えている。
もし自分がこのテーマパークを改善するとしたらどうするか。
1日1万人がしっかり満足できる仕組みを、具体的かつ現実的に提案してみる。
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■前提となる数字と構造の問題点
ジャングリアの来場目標は1日1万人。
一方で、主要アトラクションの処理能力をすべて合計しても、体験できるのはおよそ4400人分にとどまる。
つまり半分以上の人が、メインとなる体験を何一つできないまま帰ることになる。
炎上して当然の構造になっている。
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■目指すべき基準は3万体験
満足度を高めるために、来場者1人あたり最低でも3つの体験をしてもらうことを前提とする。
1万人 × 3体験 = 3万体験/日。
これを成立させる設計に切り替えればいい。
その鍵は、短時間で高回転できる「超高速体験」の導入にある。
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■私が考えた超高速恐竜体験20選
全てが恐竜テーマに基づき、1回5分以内で完結。
コストも抑えられ、同時に20人以上が参加できる設計にすれば、1時間で300人、10時間で3000体験が可能。
これを10か所に設置すれば、それだけで3万人分の体験を供給できる。
以下はその例
・恐竜と鳴き声対決
・足跡スタンプラリー
・化石発掘チャレンジ
・卵キャッチゲーム
・骨格パズルラッシュ
・ジュラ紀レース(ミニトラック)
・ティラノのキバから宝を取れ
・恐竜ダンスチャレンジ
・恐竜声優アフレコ体験
・恐竜タイプ診断おみくじ
・しっぽ取りミニゲーム
・恐竜なりきりフォト撮影
・トリケラトリオ記憶チャレンジ
・恐竜クイズマシン
・リアル卵バランス運搬
・スピード発掘ミッション
・恐竜の視点タワー体験
・化石スキャン即答ラリー
・スタンプで進化を図れるゲーム
・恐竜トレーディングカードバトル体験
どれも「やった感」が強く残る上に、親子でも気軽に楽しめる。
これがパーク全体に分散されていれば、並ばなくても楽しかったという体験になる。
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■体験に“進捗”という意味を持たせる
ただ数を並べるだけでは足りない。
重要なのは、体験の積み重ねに意味を持たせること。
・体験ごとにスタンプを押すカードを配布
・3つでガチャ1回、6つで称号バッジ贈呈
・園内に隠されたレア恐竜スタンプを探すミッション
・称号に応じて翌月に使える特典プレゼント
体験を“集める”ことが楽しい、という設計にする。
並ぶ時間ではなく、進んだ体験数で満足度が上がる構造に切り替える。
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■既存アトラクションは“特別枠”にする
回転率が低いバギーやVRなどのメインアトラクションは、整理券や抽選制で運用する。
「乗れた人はラッキー」というプレミア体験として位置づける。
そのぶん、外れた人にも回遊型の楽しさを担保する仕掛けを徹底する。
そうすれば「乗れなかった」という失望は、分散される。
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■休憩時間も価値に変える
満足度は、体験の数だけで決まらない。
「滞在中の快適さ」がどれだけ確保されているかも非常に重要。
そこで以下を提案する
・日陰ベンチ(300席×5ゾーン)
・ミスト付きのクールエリア
・キッズ向けのぬりえ・パズル・簡単ゲーム
・恐竜カフェで映える休憩ブース
・椅子に座って楽しめる映像連動体験も
休んでいるだけでも、何かをしていると感じられる空間にする。
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■結論:満足度は“構造”でつくれる
今回私が設計したのは
1万人 × 3体験 = 3万体験/日
この数字をクリアできる体験分散型テーマパークの構造だ。
・超高速体験を20種用意し
・体験の可視化と称号でゲーミフィケーションを行い
・プレミア体験と回遊型の両輪で満足を支え
・快適な待機と休憩も1つの体験としてデザインする
これらを合わせれば、体験不足に苦しむ今の構造からは脱却できる。
失敗を隠すより、見直して作り直した方が絶対に強い。
私はそう信じているし、ジャングリアにはまだその可能性があると思っている。
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