引越屋社員の横領について
- yuki kato
- 7月10日
- 読了時間: 4分

私はかつて、引越業界で働いていた時期があります。
で、結構あったんですよ「横領」に関する話。
現場で一緒に働いていた人の中にも、実際に処分を受けた方が数人いて、驚きというより、「やっぱりな」という空気さえあったのを覚えています。
引越しという仕事は、当日になって状況が変わることが珍しくありません。荷物が変わったり、時間が変わったりして、クレームの処理だったり、料金がその場で変わるのは日常的なことです。だからこそ、見積書と実際の請求金額に差が出ることも多く、その差額を利用して不正が行われるケースがあったのです。特に営業所長や支店長など、現場での裁量権を持つ立場の人による「値引きのように見せかけた着服」
作業スタッフによる不正もあります。引越し中に不用品の処分を依頼されることがありますが、その代金を会社に報告せず、自分の手元に留めてしまうケース。さらに悪質になると、その不用品を後で売って利益を得る、いわば二重取りのようなことをしている人も見受けられました。もちろん、業務上横領と古物営業法違反です。
営業担当が行うケースもあります。たとえば見積書を2枚作って、顧客から受け取った手付金を申告せず、自分のものにしてしまうなど。ただ、これは帳簿上の処理も必要になるため、誰でもできるような単純な手口ではありませんでした。
こうした不正がなぜ起きるのか。私はこの業界での経験から、「仕組みそのものに原因がある」と感じています。今回はその背景について、当時の現場の感覚を交えながら整理してみたいと思います。
■ 横領が横行する構造的な背景
1. 金額の変動が現場判断で完結する業態
引越業では、当日になって初めて確定することが多い項目が多数存在します。荷物の増減、道の状況、エレベーターの有無など、見積時点では読めないことも多く、現場で金額が変わるのは普通のことです。
その結果、見積書と最終請求の差額が発生することが許容されており、「差額を着服する」という不正が自然に紛れ込む余地があるのです。特に支店長や所長といった役職者がこの裁量を持っていると、チェック機能が働きにくくなります。
2. 記録に残りにくい「不用品処分」
現場では、不用品の処分をその場で依頼されることがあります。その際に発生する現金支払いは、レシートや記録が曖昧になりやすく、スタッフが申告せずにそのまま受け取るというパターンが多発していました。
さらに悪質な場合は、その不用品を売却して利益を得る、という「二重取り」の構造にもなりえます。これは古物営業法にも抵触する恐れがある行為ですが、現場単位で完結する業務ゆえに、発覚しづらいのが現実です。
3. 見積金の着服という営業的な不正
営業マンによる不正も、一部で確認されていました。具体的には、見積書を2枚作成し、顧客から預かった手付金を申告せずに懐へ入れるという手口です。帳簿との整合性を取るためには相応の知識や経験が必要となり、実行できる人物は限られていましたが、まったく存在しないとは言い切れません。
■ なぜ今も同じ構造が残っているのか
このような横領の構造が、なぜ今も続いていると考えられるのでしょうか。その理由には、以下のような点が挙げられます。
属人的な判断が多く、システム管理が不十分な企業が多い
クレームや内部告発がなければ、会社も不正に気づきにくい
短期雇用やアルバイトが多く、組織的な統制が取りにくい
現金取引がいまだに存在し、記録が曖昧になりやすい
つまり、「不正を行いやすい構造が温存されたまま」現場が回っているケースが、現在でも一部に残っている可能性が高いということです。
■ 今でも変わらない気はする
引越業界は、現場判断が求められる柔軟な業務形態が多いがゆえに、不正の温床にもなりやすいという課題を抱えています。もちろん、すべての業者がそうだとは言いませんし、真摯に取り組んでいる企業がほとんどでしょう。
しかし、業界全体としてこのような過去があったこと、そして現在でも構造的なリスクが残っていることは、業界外の人にも知っておいてほしいと思います。








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