平均年齢50歳の国、日本。人類史上初の実験場になるのか?
- yuki kato
- 8月24日
- 読了時間: 3分

日本の平均年齢はすでに49歳。あと10年もすれば52歳に到達する見通しです。これは世界でもトップクラスの高齢化であり、文字通り「人類史上初めてのゾーン」に突入する国になります。
振り返れば、高度経済成長期の日本は平均年齢が30歳前後。若者が都市に流れ込み、工場をフル稼働させ、消費も爆発した。あの時代は人口ボーナスに乗った「若者大国」だったのです。
では、もし今の日本が平均年齢を再び30歳に戻そうとしたら?
試算すると、とんでもない答えが出ます。
いまの人口に対して 約8200万人もの新生児 を一気に加えなければならない。年換算すれば800万人以上の赤ちゃん誕生が必要で、今の10倍。完全にSFの世界です。
移民で補う場合も、25歳前後の若者を数億単位で受け入れなければならない計算になります。これもまた非現実的。
つまり「平均年齢を下げる」という発想そのものが幻想なんです。
■世界の同世代たちと比べると?
現在、日本と同じような平均年齢を持つ国はごくわずか。イタリアやドイツ、スペイン、そして韓国が近い仲間です。いずれも高齢化が進む成熟国。
一方で、高度経済成長期の日本と同じような平均年齢(20代後半〜30歳前後)を持っているのは、インド、ベトナム、インドネシア、メキシコなどの新興国。まさに昔の日本のように「人口ボーナス」を背景に成長している国々です。
さらに若い国を見れば、ナイジェリアの平均年齢は18歳。これは戦後直後の日本に近い。
つまり世界を俯瞰すると、日本は「高齢化の最前線」、新興国は「人口ボーナスの真っ最中」という強烈なコントラストが存在します。
■どうにもならない… だからこそ戦略を変えろ
結論、日本の平均年齢を下げることはできません。どうにもならないのです。
でも「どうにもならないこと」を嘆いても仕方ない。戦略を変えるしかない。
高齢化を「負担」として扱うのではなく、「資産」と見なす方向へ舵を切る必要があります。
・シニア就労を当たり前にする
・健康寿命を国民的KPIにする
・移民は計画的に受け入れて混成社会を設計する
・AIやロボットで付加価値を底上げする
・採用もシニア・外国人・ミドル層を組み合わせて設計する
これが現実的な選択肢です。
■平均年齢は戻せないが未来の平均所得は上げられる
「平均年齢50歳の国」なんて、50年前には地球上に存在すらしませんでした。
つまり日本は、世界の誰も歩いたことがない道を行くことになる。
ただし視点を変えれば、これはチャンスです。
先頭を走る日本が「高齢社会の成功モデル」を作れば、世界は後から真似をするしかない。
平均年齢は戻らない。
でも、未来の平均所得は上げられる。
勝負はそこにしかないのです。
AI未来鑑定士 / リクルートストーリーテラー
合同会社Lepnet 代表社員 加藤勇気
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