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日本郵便の許可取消が意味する 物流崩壊前夜 〜恩が返らない構造の限界〜

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 6月6日
  • 読了時間: 2分

日本の物流に激震が走った。

日本郵便がトラック運送の事業許可を取り消されるという前代未聞の事態。


え?郵便のトラックが使えなくなるってヤバくない?

――そう思った方、問題はその先にも山積みです。



■どれだけの荷物が動いているのか?数字で見る現実


2023年度、日本の主要宅配業者の年間取扱個数は以下の通り。


・ヤマト運輸:約23億個

・佐川急便:約13億個

・日本郵便(ゆうパック):約10億個

・Amazon(自社配送):約7.8億個


この中で日本郵便は、年間10億個の荷物を担っている。

1日あたりに換算すると約274万個、1時間で約11.4万個。

今回の許可取消は、これらのうち特に都市部や大規模拠点の幹線輸送部分――

つまり骨格そのものが止まるという話。


物流の血管が詰まる。

そのヤバさ、もう一度想像してほしい。



■現実的な展開:大手に投げて、下が潰れる


日本郵便は、自社でトラックが使えない分をヤマトや佐川などに委託していくだろう。それしかないもんね。

だが、大手も余力はない。結果、受けきれず下請けへ再委託が発生する。


名前のある企業が高単価で受け、

実際に走るのは中小や個人ドライバー。

でもその報酬は中抜きされて、ギリギリの単価。


疲弊するのは、いつも最前線の現場。

それなのに、評価も上がらず、感謝すらされない。



■恩を売っても返ってこない業界


この業界の本質的な病はここにある。

恩を売っても、返ってこない。


無理を聞いても、

多少の赤字を飲み込んでも、

結局は「ありがとう」で終わる。


値上げを言えば、他社と比べられて契約は切られる。

信頼より、単価。

人間関係より、効率。


恩が通貨にならない構造は、静かに業界を壊している。



■じゃあ、どうすればいい?


このままだと、物流の担い手はいなくなる。

物はあっても、届ける人がいない未来がすぐそこだ。


だから、構造ごと変える必要がある。


・無理をきいた実績や貢献を可視化し、信用として蓄積する

・貢献に応じて、単価や契約条件が変動する仕組みをつくる

・中小が直請けできる新しい流通プラットフォームを設計する

・配送が誇りある仕事としてリブランディングされる社会にする



■恩が返ってくる業界に変わらなければならない


日本郵便の年間10億個という現実は、

決して一社の話ではない。

それは社会の循環そのもの。


そしてその循環を支えているのは、

恩を売り続けても報われなかった人たち。


そろそろ、構造ごと変えよう。

恩が返ってくる仕組みをはじめよう。


届けるって、すごいことなんだ。

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