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AIを否定する人達の脳内はこうなっている

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 5月5日
  • 読了時間: 4分

■ さきに結論から

AIを否定するのは知性の問題ではなく、脳の防衛反応。


AIを否定する人たちを非難するのは簡単ですが、本質はそこではありません。なぜ今、AIに対する強い拒否反応が生まれているのか。その背景には、人間の脳が持つ性質や心理的な防衛反応が深く関係しています。つまり、否定とはその人の思考の癖や脳の仕組みに起因するものであって、能力や意識の低さの問題ではないということです。




■ 脳はそもそも変化を警戒するようにできている


人間の脳は、進化の過程で変化を警戒するように設計されています。生き延びるためには、見慣れないものや予測不能な事象を避ける必要がありました。AIのような新しい存在は、それだけで警戒対象になってしまうのです。


たとえば、過去に「知らないキノコを食べるな」と教えられたように、知らない技術もまた、本能的には「避けるべきもの」として認識されます。これは新奇性恐怖と呼ばれる現象であり、ごく自然な脳の働きなのです。




■ AIに対する反発の裏にある自己価値の危機感


AIを導入することで、自分の仕事が奪われるのではないかという不安を抱く人は少なくありません。それは単なる仕事の喪失以上に、自分の価値や役割が否定される感覚に直結しています。


特に長年の経験やスキルを誇りにしている人ほど、自動化やAI化によって「自分が不要になるのでは」と感じやすくなります。このときに起こるのは、自己効力感を守ろうとする脳の働きです。AI否定の言葉の裏には、自分の存在意義を守ろうとする健全な心理が潜んでいます。




■ 理解できないものに対する本能的な不信感


人は、自分で理解できないものに対して警戒心を抱きます。AIの仕組みは専門的で、非技術者にはブラックボックスに感じられることが多いでしょう。


このような理解不能な対象に対して「危険だ」「信頼できない」と感じるのは、曖昧さ回避性と呼ばれる心理的傾向です。これは本能的なリスク管理の一部であり、情報が不透明なものほど拒絶したくなるのは当然とも言えます。




■ 成功体験こそが変化を妨げる原因になることもある


過去に一定の成果を上げてきた人ほど、自分のやり方を変えることに強い抵抗感を持ちやすい傾向があります。これはその人が成功した証であり、同時に変化への壁にもなり得ます。


自分の過去の実績や方法論を否定することは、自分自身を否定するような苦しさを伴います。そのため、AIのような「新しいやり方」を導入することに、心理的なブレーキがかかってしまうのです。




■ AIそのものではなく、AIを語る人に反応していることもある


AIそのものへの拒絶ではなく、AI推進派の言動に対する嫌悪感が引き金になっていることもあります。たとえば、「今どきAI使ってないのは時代遅れ」などといった言葉が、反感を買う原因になることもあるでしょう。


このような反応は、置いていかれることへの孤独感や、マウントを取られることへの反発心といった感情に根ざしています。相手を論破しようとする態度が、AIそのものへの否定を強化してしまうこともあるのです。




■ 否定する人の脳をどうやって開いていくか


強制的にAIを導入させたり、技術的な正しさを押し付けても、拒否反応はむしろ強くなってしまいます。必要なのは、小さな体験と共感の積み重ねです。


たとえば、スケジュール管理や文章のチェックなど、生活や仕事の中で直接役に立つような具体的なタスクをAIに任せてみること。体験してみて、「これは便利だ」と実感できれば、徐々に受け入れられるようになります。




■ AI否定は人間らしさの現れでもある


AIに拒否感を抱くということ自体、人間の脳が持つ自然な性質に根ざしています。それは弱さではなく、むしろ人間らしさの表れでもあります。


だからこそ、AIの普及においては、技術的な正しさだけでなく、人間の感情や心理に寄り添うアプローチが必要です。対立を生むのではなく、理解と共感を土台にして、ゆっくりと一緒に進んでいくことが、これからの時代に求められている姿勢です。

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