MLMはなぜ世界中で成立し続けるのか?人間社会を再現した驚異的な仕組み
- yuki kato
- 9月26日
- 読了時間: 3分

■ 改めてMLMとは何か?
MLMは「Multi Level Marketing」、日本語では「連鎖販売取引」と呼ばれるビジネスモデルのひとつ。
会員が商品を購入し、さらに新しい会員を紹介することで報酬を得る仕組みです。
「ねずみ講」と混同されやすいが、ねずみ講は金銭のやり取りのみで成り立ち、違法とされる。
MLMは必ず商品が介在するため、形式上は合法と位置づけられている。
日本で有名なのはアムウェイ、ニュースキン、ハーバライフなど。
どれも化粧品やサプリメントといった消費サイクルの早い商品を扱い、再購入を前提とする。
とはいえ、多くの人から「怪しい」と見られるのも事実だ。
強引な勧誘、友人関係を利用した営業手法、実態以上に豪華に見える表彰制度。
これらが積み重なり、MLMは常にグレーゾーンとして認識されてきた。
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■ MLMはなぜ世界中で成立しているのか?
その理由は三つに集約される。
ひとつ目は
「商品を介在させることで合法性を確保していること」
ねずみ講と違い、表向きは商品取引を伴うため法的に存続できる。
ふたつ目は
「人間心理を徹底的に利用していること」
承認されたい、仲間に入りたい、短期間で成功したい――
こうした欲望を表彰制度やランク付けで巧みに満たす。
心理的報酬を得続けることで、人は組織に残り続ける。
みっつ目は
「口コミとコミュニティによる拡散力」
広告費をほとんど使わず、人間関係の信頼を介して広がっていく。
人は企業広告よりも知人の言葉を信じやすい。
この特性を最大限に活かして、MLMは爆発的に広がる。
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■ 表彰制度の本当の意味
MLMの象徴的な仕掛けが「表彰制度」です。
華やかなステージ、煌びやかな称号。
しかしそれは外部市場での実力の証明ではなく、内部で差別化を演出するための仕組みである。
成功者とされる人は、実際には広告塔として利用される。
本人は自分の実力と信じているが、組織の維持に必要な「象徴」に仕立て上げられている。
その姿を見せることで他の参加者は「自分もああなれる」と夢を見続ける。
だが称号は閉じた組織の中でしか意味を持たない。
市場に出れば通用しない肩書きにすぎない。
内集団バイアスの中でしか使われない、特別な権威性を作っていると思っている。
とても理にかなった仕組みですよね。
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■ 人間社会を模倣したシステム
MLMは人間社会を縮小したシミュレーションに近い。
ヒエラルキーを作り、承認欲求を満たし、象徴的な成功者を配置する。
これは宗教や軍隊、さらには企業組織とも共通する構造だ。
そのため国や文化を超えて成立し続ける。
MLMは単なる商売モデルではなく、人間社会をそのまま小さく切り取った仕組みといえる。
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■ 凄いけどやらない理由
MLMは批判の対象になりやすい。
しかし俯瞰的に見れば、人間の欲望と社会構造を組み合わせた非常に精巧な仕組みである。
だからこそ世界中に存在し、簡単には消えない。
個人的には、このビジネスモデルの構造に「凄さ」を非常に感じる。
でも、自分自身がやることは無い。
作られた世界の中で与えられた役割を演じさせられるなんてツマラナイ。
と、私は思う。
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AI未来鑑定士 / リクルートストーリーテラー
合同会社Lepnet 代表社員 加藤勇気








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