金融構造を持たない事業は成長すればするほど苦しくなる
- yuki kato
- 8月1日
- 読了時間: 4分

黒字なのに通帳が減っていく…
決算書は黒字だった。
利益も出ている。
それなのに通帳の残高は去年より減っている。
こんな話はよく耳にする。
本人は理由がわからない。
売上は伸びている。
経費も削っている。
なのに現金だけがない。
先日ある方との面談で金融構造という言葉に出会った。
その瞬間にこの現象の正体が言語化された。
黒字倒産という言葉は知られている。
でも自分の会社がその手前にいることに気づいている人は少ない…
◆結論
ビジネスモデルの強さは商品ではない
ビジネスモデルの強さは商品でもなく価格でもない。
お金がどこから入りどこへ抜けるかという構造で決まる。
これを金融構造と呼ぶ。
利益率が高いのに続かない事業がある。
利益率が低いのに何十年も続く事業がある。
この差を生んでいるのが金融構造。
◆多くの人が信じているビジネスモデルの定義
多くの人はビジネスモデルを商品と価格と集客の組み合わせだと考えている。
何を売るか。
いくらで売るか。
どう知ってもらうか。
たしかにこの3つは重要。
起業本にもコンサルの資料にもこの順番で書いてある。
でもこの3つが揃っても、会社はあっさり潰れる。
売れているのに現金がない。
忙しいのに手元に残らない。
成長しているのに借入が増える。
なぜこうなるのか?
売上と現金は別の時間軸で動いているからである。
商品と価格と集客は損益の話であって資金の話ではない。
損益計算書の上では勝っていても現金の流れでは負けている状態が普通に存在する。
◆金融構造を5つに分解する
金融構造は5つの要素で分解できる。
・入口:
誰の財布から最初のお金が出るか
・信用:
誰の信用でその取引が成立しているか
・リスク負担者:
失敗した時に誰が損を被るか
・利益配分:
出た利益を誰にどう分けるか
・再投資先:
残った現金がどこへ向かうか
この5つを説明できない事業は設計されていない。
たまたま回っているだけ。
◆回収と支払の順番が運命を決める
サブスクリプションが強いのは月額だからではない。
先に代金を受け取り後からサービスを提供するからだ。
回収が支払より先にある。
だから成長するほど手元現金が増える。
逆に…人を先に採用してから売上が立つ業種はどうか?
美容室も整骨院も軽貨物も同じ構造を持っている。
教育期間の人件費を誰が負担するか。
ここを設計していない会社は採用するたびに現金が減る。
採用が成長ではなく出血になるのである。
◆リスクを誰に置くかで事業の性質が変わる
軽貨物なら車両リースを会社が持つかドライバーが持つかで事業の性質が変わる。
会社が持てば固定費リスクを会社が負う。
ドライバーが持てばリスクは分散するが定着率が下がる。
どちらが正解という話ではない。
どちらを選んだのかを自覚しているかという話。
求人媒体も同じ。
広告費は先払いで成果は後。
リスク負担者が発注側に完全に寄っている。
私が媒体依存からの脱却を言い続けているのは精神論ではなく構造の問題なのである。
◆金融構造は資金繰りではなく骨格
金融構造とは資金繰りの話ではない。
誰がリスクを取り誰が報われるかという事業の骨格そのものだ。
商品は真似される。
価格は下げられる。
集客手法は半年で陳腐化する。
でも金融構造だけは簡単に真似できない。
そこには信用の蓄積と時間が必要だから。
◆小規模事業者ほど設計が効く理由
小規模事業者ほどこの視点を持つ意味がある。
資金が薄いということは、構造の歪みが即座に致命傷になるということだからである。
大企業は歪んだ構造を体力で吸収できる。
私たちにはそれができない。
だからこそ設計する。
◆今日やってほしいこと
紙を1枚用意してほしい。
自分の事業について5つを書き出す。
・入口
・信用
・リスク負担者
・利益配分
・再投資先
書けない項目があったなら、そこが今の事業の弱点。
そして書けなかった項目こそが、次に伸ばせる余白でもある。
あなたの事業のリスクは今、誰が持っていますか?
合同会社Lepnet
代表社員 加藤勇気 http://lepnet.biz
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