情報のゴールドラッシュでツルハシを買ってはいけない理由
- yuki kato
- 4 日前
- 読了時間: 4分

結論から言うと…。
ツルハシを売る側にも、買う側にも回らない方がいいと思っている。
私たちが立つべきは、
金が出る土地の側である。
ゴールドラッシュで一番儲かったのはツルハシとスコップを売った人。
この話はもう誰でも知っている。
金を掘りに行った人の大半は破産した。
道具を売った人だけが確実に儲けた。
だから熱狂そのものではなく、熱狂に群がる人へ売れ。
いい教訓だとは思う。
でねこれをAI時代に当てはめると出てくる言葉がある。
半導体を作っている会社、あれが現代のツルハシ屋なんだ、と。
私はここに違和感がある。
ツルハシ屋の本質は規模ではない。
リスクの位置なんだと思う。
金が出ようが出まいが代金は掘る前に回収済み。
採掘者が全滅しても痛くない。
熱狂の外側に立っているから強い。
では今の半導体はどうか?
AIで金が出続けることに全額を賭けている。
需要が止まった瞬間に一番大きく倒れるのは、あの規模で設備を作った側でしょ?
形はツルハシ屋。
でも力学は鉄道会社。
線路を敷いた後、街ができなければ終わる商売。
そしてそもそも、半導体がツルハシやスコップだとすると、我々がそれを生産して売ることはほぼ不可能である。
仕入れて売る、というのも現実的ではない。在庫は巨大企業に抑えられている。
◆比喩は前提を密輸してくる
ゴールドラッシュという言葉に含まれるデメリット
・金は有限で誰かが取れば誰かが取れない
・掘れば掘るほど減っていく
・ラッシュはいつか終わる
これ、AIはどれにも当てはまらない。
誰かが使っても減らない。
使われるほど精度が上がる。
終わって元に戻るんじゃなくて、電気みたいに前提になって消えていく。
決定的な違いはここだと思う。
ツルハシは10年使っても、使い手のことを何も覚えない。
道具は道具のままでいてくれる。
AIは使うほどこちらの文脈を吸って変わっていく。
道具の側が育つ。
これはゴールドラッシュの語彙には存在しない現象です。
だから比喩がどう頑張っても射程に入らない。
じゃあ、なぜ人はそれでも比喩で語るのか?
それは、
まだ言葉が無いからだと思う。
産業革命という言葉は、産業革命が終わってから生まれた。
当時を生きていた人は、自分が何の最中にいるのか名づけられなかった。
機械を語る言葉が、まだ機械と一緒に生まれている最中だったから。
今も同じ場所にいる。
この現象にちゃんとした名前が付くのは、たぶん終わってからなんだろう。
◆AIは人工的に作り出された自然
AIは、
人工的に作り出された自然である。
インフラという言い方だと足りない。
電気は均一だから、誰が使っても同じものが出てくる。
自然は違う。
土地ごとに育つものが変わる。
同じ種を蒔いても同じようには育たない。
AIは後者になる。
同じモデルに同じことを聞いても、積み上げた文脈で返ってくるものが変わる。
配電ではなく、
土壌なんだと思う。
ここまで来ると、今回のゴールドラッシュでの勝者が見えてくるのでは?
掘った人でもない。
道具を売った人でもない。
土地を持っていた人。
鉱区を貸した側。
金が出れば分け前が入る。
出なくても土地は残る。
道具は消耗する。
土地は残る。
この非対称が、100年経っても変わらない部分。
◆あなたは今誰の土地で掘っているのか?
じゃあ情報時代の土地とは何か?
それは顧客接点と、そこに積み上がった文脈だと思う。
ツールは総取り替えになる。
モデルも数年で入れ替わる。
今すごいと言われているものは、2年後には標準装備になっている。
でも誰と繋がっているか。
その人が何を求めてきたかの履歴。
これだけは移植できないし複製もできない。
採用の話であればこう。
媒体に金を払って応募を買う。
これは他人の鉱区で掘っている状態。
出た金の取り分を毎回渡している。
しかも掘るのをやめると、手元には何も残らない。
その土地は最初から自分のものじゃなかったから。
オウンドメディアで自社の言葉を積み上げるのは地味に見える。
即効性も無い。
でもあれは土地を買う行為と言える。
誰がツルハシ屋か、じゃない。
どのツールが正解か、でもない。
自分は今、誰の土地で掘っているのか?
これはAIが代わりに答えてくれない。
それを決めるのが、経営という行為そのものだから…
道具はもう行き渡った。
足りないのは、どこを掘るかの判断だけ。
そしてその判断は、ツルハシを買った回数では上手くならない。
合同会社Lepnet
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