不倫という選択肢と戦う大人達の物語
- yuki kato
- 5月26日
- 読了時間: 4分
他の異性に惹かれるのは「ごく自然」。問題は"どう扱うか"である
誰かに惹かれる。
たとえ既にパートナーがいたとしても、ふとした瞬間に「別の誰か」に心が動く――。
これは、人間である以上、ごく自然な感情であり、罪ではありません。
問題なのは、その感情をどう扱い、どんな選択をするか。
選ぶ自由があるからこそ、選ばない覚悟が試される。
■ なぜ他の人を好きになるのか?(理論とリアル)
1. 出会いは偶然、好意は化学反応
恋は「計画的に落ちる」ものではありません。
共に過ごす時間、共感する言葉、助け合う瞬間――
気づけば、心の隅に“特別な想い”が芽生えている。
脳内では、ドーパミン・オキシトシン・セロトニンなどの神経伝達物質が活発化。
一緒にいると心地よく感じる理由は、脳が勝手に「この人=快楽」と認識しているからです。
それは本能であり、仕様であり、悪ではありません。
2. 時間と共に、人も関係も変わる
人は変わります。
価値観も、生活も、欲求も、ライフステージも。
かつては心を通わせたパートナーと、今ではすれ違いばかりということもあるでしょう。
そんなタイミングで、自分と「今」の感覚が合う誰かに出会えば、惹かれてしまうのは自然なことです。
**「今の私」に合う人と共鳴するのは、決して裏切りではなく“変化の証”**でもあります。
3. 一夫一妻制は「文化」であって「本能」ではない
人間の生物的本能は、実は一途とは程遠いものです。
多くの動物と同様、遺伝子を残す本能や多様性を求める欲求は、人間にも備わっています。
社会が「一夫一妻」を制度化したのは、秩序の維持と子育ての安定のため。
つまり、私たちは本能に抗い、理性で社会性を選んでいる存在なのです。
だからこそ、「惹かれる=進んでいい」ではない。
その間にあるギャップを埋めるのが、人間の知性と責任感です。
■ なぜ「不倫は悪」とされるのか?
1. 信頼という「契約」を破るから
結婚は愛情だけの関係ではなく、「社会的な契約」です。
相手と結んだ約束を裏切れば、それは信頼の毀損となる。
つまり不倫は「バレなければOK」ではなく、バレた瞬間にすべてを壊し得る爆弾なのです。
2. 自分の感情が、他者の人生を破壊し得るから
配偶者への裏切り
子どもの安心を壊すリスク
社会的信用の喪失
自分の感情が正しくても、それが誰かの心を壊してしまうなら、
「正しさ」はもはや自己満足に過ぎない。
3. 感情が倫理を上書きしやすいから
「この恋は運命だ」
「夫婦関係は冷めているから問題ない」
「バレなければいい」
これらは、不倫状態の典型的なお花畑思考。
感情を盾にすれば、どんな行動も正当化できてしまう。
だからこそ、自分の気持ちを信じるよりも、「行動の結果」を冷静に見なければなりません。
■ 本当の「大人」とは何か?
人は生きていれば、何度でも「選択肢」に出会います。
恋愛感情もそのひとつ。惹かれること、想いを抱くこと、未来を想像すること。
それらはすべて、選択肢として目の前に並ぶかもしれません。
しかし、ここで大切なのは――
> 選択肢があることは、それを「選んでいい」という許可を意味するわけではない
選択肢はいくつもあるが、その中には“選べない選択”もある
――それを知っているのが、大人なのです。
子どもは「できるか・できないか」で動きます。
大人は「すべきか・すべきでないか」で考えます。
だからこそ、大人は時に心が望む選択肢を自ら封じる。
その痛みや矛盾を引き受けることで、未来に責任を持とうとするのです。
■ 感情を否定せず、行動を選ぶという強さ
恋に落ちること。
それは「人間らしさ」の表れです。誰にも責められるものではありません。
でもその後、「何をするか」は人格そのもの。
どんなに心が揺れても、行動の舵を握るのは自分です。
惹かれる気持ちに嘘をつく必要はない。
けれど、行動だけは誠実に選べる自分でいたい。
■ 最後に:感情は自然、でも未来は意志でつくる
あなたが今、誰かに惹かれているなら、それは大切にすべき感情かもしれません。
でもそれが本当に「自分の人生をよくする選択肢」なのかは、もう一人の自分に問うてください。
感情を持つのは人間らしさ、感情に流されすぎないのが人間の知性。
そして、選ばなかった選択肢こそが、あなたの人生を守ってくれることもある。
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