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6300万円を譲る理由 こんなスポーツ、他にないだろ?

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 10 時間前
  • 読了時間: 4分
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仲間を頂点へ連れていくスポーツ

それが競輪だ


競輪をまだ知らない人にとっては、自転車で走るだけのギャンブルと思われがちです。

しかし、実際に深く触れてみると、その認識は180度ひっくり返ります。競輪は単なる脚力勝負ではなく、人間同士の信頼、戦略、義理といったものが複雑に絡み合う人間ドラマのスポーツなのです。


その頂点にあるのが年末に行われるKEIRINグランプリ。優勝賞金は1億4000万円。出場できるのは、その年のG1優勝者と、そこを除いた賞金上位者だけ。わずか9人にしか与えられない狭き門です。


この9人は翌年S級S斑と呼ばれる特別な地位を得ます。斡旋は優遇され、賞金も跳ね上がり、選手としての立場が格段に変わる。つまり、グランプリは一発の勝利ではなく選手人生を変える舞台なのです。



■勝利よりも仲間を連れていくことが価値になる


では、その舞台に立つために何が必要か。

競輪は個人競技のように見えますが、実はラインという独特のチーム戦の要素があります。ラインとは、同じ地区や考えを共有する選手同士で組まれる戦略的な隊列のこと。前を走る選手が風よけとなり、後ろの選手を有利に運ぶ。その連携こそが勝敗を分けるのです。


重要なのは自分が勝つかどうかだけではありません。

どれだけの仲間をグランプリに連れていけるか。

いかに仲間を勝たせ、共に頂点を目指せるか。


昨日のオールスター決勝(函館)は、その象徴的なレースでした。脇本雄太が先頭を全力で引き、寺崎浩平が番手から抜け出して優勝。古性優作、南修二と続く近畿ラインが力を合わせた結果でした。


ここで注目すべきは、優勝賞金6300万円という大金を、自分ではなく仲間に譲る覚悟です。

脇本選手にしても、古性選手にしても、自分の勝利を優先することは可能だったかもしれない。けれど、敢えて仲間を勝たせる作戦を選んだ。これは今の勝利を捨てて未来を獲りに行くという競輪特有の戦略です。



■今を犠牲にして未来を選ぶ覚悟


考えてみてください。

6300万円を目の前にしながら、それをあえて自分のものにしない。普通のスポーツならまずあり得ません。

サッカーでも野球でもテニスでも、自分が勝つために全力を尽くすのが当たり前です。


けれど競輪は違います。

グランプリという究極の舞台を目指すために、選手は時に今日の勝利を諦めます。

自分が負け役に回ってでも、仲間を勝たせる。その仲間と共に、年末のグランプリに出場するために。


昨日のレース後、古性優作選手が本当にラインのおかげと語ったのも象徴的でした。満身創痍の状態でも仲間に背中を預け、結果を出した。その背景には個人を超えた信頼関係がありました。


この義理と戦略が絡み合う構造こそが、競輪を他のスポーツと一線を画すものにしているのです。



■他にないスポーツ性と人間模様


競輪を観ていると、勝敗の裏に必ず人間模様が見えてきます。

選択一つ一つに、選手の価値観や信念が滲み出ているのです。


競輪はお金と信頼という二つの価値が同時にぶつかる舞台。だからこそ、単なるギャンブル以上の奥深さを持っているのです。



■競輪を体験してみてほしい


昨日のオールスター決勝は、その魅力を凝縮した一戦でした。

ラインの連携、犠牲を払った戦略、信頼に応える走り――観客はそれを目の前で体感し、震えるような興奮を味わったはずです。


競輪の面白さは、数字や結果だけでは決して伝わりません。

時速70キロを超えるスピード、選手同士がぶつかる音、ゴール前で一斉に上がるどよめき、選手が目の前を通り抜けるときに感じる風圧。

そして、観客自身が声を張り上げる一体感。


そのすべてが揃ったとき、初めて競輪はこういう世界だったのかと実感できます。


だからこそ、まだ競輪を体験したことがない人に言いたい。

ぜひ一度、競輪場に足を運んでください。

テレビや数字では絶対に伝わらない五感の衝撃が、そこにはあります。


きっと、あなたも叫ばずにはいられなくなるでしょう。

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