非確実性に勝てない話
- yuki kato
- 10 分前
- 読了時間: 4分

人間は基本的に非確実性を受け入れられない生き物である。
私たちは日々、理性的に判断して生きているつもりでいます。
しかし心理学や行動経済学の研究を見ていくと、人間は非確実性に極端に弱い構造を持つ生き物であることが分かります。
分からない状態や先が読めない状況に置かれると、不安や怒りを感じ、意味や原因を求めずにはいられません。
この非確実性への弱さは、個人の性格の問題ではなく、人間という種の基本仕様です。
この前提を理解することが、政治や社会の分断、仮想敵が生まれる構造を読み解く鍵になります。
■人間はなぜ非確実性に耐えられないのか?
行動経済学者ダニエルカーネマンが示したプロスペクト理論では、人は利益より損失を強く感じる傾向があるとされています。
確率的には有利な選択であっても、失敗する可能性が見えると、人は過剰に恐怖を抱きます。
進化的に見ても理由は明確です。原始環境では、曖昧さは命に直結しました。
確実に分からない状況を放置するより、多少間違っていても即断する個体の方が生き残りやすかった。
その結果人間は曖昧さを嫌い、白黒をつけたがる脳構造を持つようになったのです。
■大多数が得をするはずの制度で起きる違和感
統計的に見れば大多数が恩恵を受ける制度や仕組みは数多く存在します。
しかし、人は無意識に自分もその大多数に含まれていると想定します。
ところが自分が例外側に立たされた瞬間、こう感じる…
こんなはずじゃなかった
なぜ私なんだ
これは理不尽さへの怒りではありません。
非確実性を受け入れられない認知構造が引き起こす混乱です。
確率は理解しているつもりでも、自分は当たらない側だと期待している。
その前提が崩れたとき、人は世界に裏切られた感覚を覚えます。
その結果、原因や犯人を探し始めます。
制度が悪い、説明が足りない、誰かが隠していた。こうした物語は、不確実な世界に耐えるための防衛反応なのです。
■政治とは人間のバグを前提とした行為である
政治を理念や正義の話として捉えると、現実との乖離が生まれます。
実務としての政治は、人間が非合理で感情的であることを前提に社会を成立させる行為です。
人は不安に弱く、恐怖に反応し、短期的な安心を優先します。
この前提を無視して制度は作れません。
そのため政治は、人間のバグと戦う行為であると同時にそれを利用する行為にもなりやすい。
恐怖を煽れば支持は集まりやすい。
単純な敵を設定すれば世界は分かりやすくなる。
複雑な現実より、善悪二元論の方が非確実性に弱い大多数には受け入れやすいからです。
良い政治は、このバグの被害を抑えようとします。悪い政治は、バグを刺激し拡大させます。
ここに思想ではなく設計の差が現れます。
■仮想敵が繰り返し使われる理由
最近よく語られる仮想敵という概念も、非確実性の問題と直結しています。
非確実性に耐えられない大多数の人達をコントロールする方法として、仮想敵は極めて的確です。
敵を定義すれば問題は単純化されます。
不安は怒りに変換され、向ける先を得る。
複雑で説明しづらい問題ほど、分かりやすい敵は強い力を持ちます。
政治思想、世代、職業、外国、ワクチン、AI。対象は何でもいい。本質は、非確実な状態に耐えられない人間の構造にあります。
■非確実性に耐えるための考え方と対策
非確実性に耐えるために必要なのは、正解を見つけることではありません。
構造を理解することです。
確率は個人を守らない
選択には必ず外れが含まれる
結果が悪くても誰かのせいとは限らない
この前提を受け入れることで、初めて非確実性は扱える対象になります。
具体的には、自分が今どの物語に巻き込まれているのかを一段引いて見ること。
不安や怒りが湧いたとき、その感情の出所を観察すること。
これは思考停止ではなく、メタ認知です。
■人間の構造を理解すると見える世界が変わる
人間は基本的に非確実性を受け入れられない生き物である。
この事実を理解すると、自分も他人も過度に責めなくなります。
感情的な反応を否定する必要はありません。
それが人間の構造から生まれていると知っているかどうかで、物事の見え方は大きく変わります。
俯瞰的な視点が身につき、仮想敵や恐怖に振り回されにくくなる。
非確実性は消せません。
しかし、それにどう反応するかは選べます。
その選択肢を持つことこそが、現代を生きるための実践的な知性だと思っています。
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