動いた人だけが市場の歪みを見つけられる|藤田晋から学ぶ「まずやってみる」の認知科学
- yuki kato
- 5月12日
- 読了時間: 4分

藤田晋って、なんでやることなすこと全て上手く行くのだろうか?
サイバーエージェントを創業して、AbemaTVを立ち上げて、Jリーグの町田ゼルビアをJ1まで引き上げて、麻雀のMリーグを創設して、競走馬フォーエバーヤングの馬主。
全部、結果が出ている。
IT、メディア、スポーツ、麻雀、競馬。
領域がバラバラすぎて「なんでこの人はどこに行っても勝てるんだ?」と不思議に思う。
才能なのか、運なのか、それとも何か構造的な理由があるのか?
気になって調べてみたら、心理学と市場原理の両方から説明できることがわかりました。
今日はその話をします。
藤田晋が「当たり続ける」ように見える本当の理由
多くの人は成功者を見て「才能が違う」「度胸がある」と感じます。
しかし藤田さんの本質は、やることなすこと成功しているのではなく、成功したものだけが残るような構造を会社ごと設計していること。
打席数が圧倒的に多い。
撤退基準が明確。
時代の1歩前に張る。
これは才能ではなく、習慣と構造の話なんです。
頭の中だけで考えると市場は平均値に見える
動かずに考え続けていると、市場はフラットに見えます。競合がいて、価格があって、需要がある。それだけ。
でも実際に小さく動いてみると、全然違う景色が見えてくる。
・誰もやっていない隙間
・異常に反応が取れる言葉
・逆に全く刺さらない価値
・人の感情の偏り
・業界の慣習の脆さ
これは頭の中では絶対に見えない。
観測した人だけに開示される情報です。
公営競技のオッズに似ていると思います。外から見ると均衡しているように見えるのに、実際は人間の感情や思い込みで価格が歪んでいる。
その歪みは、実際に参加した人にしか見えない。
ビジネスも同じ構造なんです。
なぜ「動ける人」と「動けない人」に分かれるのか?
心理学的に整理すると、3つの要素が連鎖しています。
1つ目は自己効力感のスパイラルです。
心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、「自分はこれができる」という確信のことです。
この確信は小さな成功体験を積むことでしか育ちません。
動いた人だけが体験を積めるので、自己効力感は動いた人だけに蓄積していく。
2つ目は不確実性への耐性です。
動けない人の多くは失敗そのものではなく「失敗した時に自分が傷つく未来」を先に想像して止まります。
これは損失回避バイアスという認知の癖で、得をすることより損を避けることを過剰に優先する心理です。
動きが早い人はこのバイアスに支配されていない。
完璧に予測することは不可能という前提を受け入れているから、分析麻痺に陥る前に動けます。
3つ目は作業興奮とツァイガルニク効果です。
やる気が出てから動くのではなく、動くことでやる気が出る。
これが作業興奮です。
さらに一度動いて「未完了の状態」を作ると、脳は自然とそのタスクを終わらせようと意識を向け続けます。
これをツァイガルニク効果といいます。
この3つは独立していません。
連鎖しています。
動く→小さな成功体験→自己効力感が上がる→不確実性への耐性が高まる→また動ける。
最初の1アクションが、3つ全部を同時に起動するトリガーになっている。
今の時代この戦略が最も合理的な理由
AIの登場で試作コストが異常なほど下がりました。
LPを作る、営業文を書く、広告クリエイティブを量産する、仮説を比較する。これらが昔より圧倒的に軽い。
つまり「小さく動いて検証する」というサイクルのコストが、ほぼゼロに近づいています。
完璧に考えてから動く人より、小さく検証を回す人の方が構造的に強い時代になった。
私自身、複数のプロジェクトを同時に走らせています。
全部を大成功させる必要はない。
10個投げて1個が跳ねれば、構造的に勝てます。
最初から成功確率を上げようとすると、動けなくなって総期待値が下がることすらある。
「まずやってみる」は精神論ではなく認知戦略です
調べてみたら藤田晋がすごいのは、才能でも度胸でもなかった。
動くことで市場の歪みを観測し続けて、自己効力感を積み上げて、撤退基準を持ちながら打席数を増やしてきたこと。
その構造が結果として「やることなすこと成功している」ように見えていただけだった。
あなたが今止まっているとしたら、それは失敗が怖いからではないかもしれない。
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