世界を魅了するはずだった「万博」という舞台の裏で
- yuki kato
- 4月14日
- 読了時間: 3分
「未来を見せる場所」――
そう期待されて開催されるのが万博です。
しかし、光が強ければ影も濃い。
日本で最後に開催された【愛・地球博】、中東のスケールで注目された【ドバイ万博】、そして今始まったばかりの【大阪・関西万博】まで。
まずは「万博の裏で何があったのか?」を、リアルな視点で追ってみましょう。
◆ 2005年 愛・地球博――「自然の叡智」は守れたのか?
愛知で開催された万博は、環境意識を前面に出した画期的なものでした。
しかしその裏側では…
◆ 自然保護エリアの開発
→ 環境保護を掲げながら、自然を切り拓いて会場を建設。強い矛盾に批判が殺到。
◆ インフラとアクセスの未整備
→ 新交通システム「リニモ」は注目されたが、会期初期は運行混乱が発生。人気パビリオンには最大6時間の行列も。
◆ コストの高さと家族層の不満
→ 飲食やグッズ価格が高く「万博に行ったら疲れただけ」との声も。
◆ 2021年 ドバイ万博――ラグジュアリーと労働の現実
1年延期で開催されたドバイ万博は、“テクノロジーと豪華さ”の象徴でもありました。
しかし実態は…
◆ 過酷な労働環境
→ 多くの建設現場では南アジア系労働者が酷暑の中で働かされ、人権問題として国際的に報道。
◆ 感染対策と体験の両立に苦戦
→ ワクチン証明、人数制限、マスク義務…安全は守られたが「本来の盛り上がりが薄れた」との感想も多かった。
◆ 展示格差が顕著に
→ 日本や中国、UAEの豪華展示に対し、途上国パビリオンは規模も質も限られ「国際公平性」への疑問が浮上。
◆ 2025年 大阪・関西万博――始まってみて見えた「リアル」
ついに開幕した大阪・関西万博。
しかし、そこに広がっていたのは理想とは遠い現実でした。
◆【運営・体験面の混乱】
◆ 入場2時間、食事8時間待ち!?
→ 「入るのに2時間」「退場で1時間」「食事すら数時間待ち」というXの投稿が続出。想定来場者数に対し、パビリオンや飲食施設のキャパシティがまったく追いついていない。
◆ 「並ばない万博」は幻だった
→ 協会が掲げた“スムーズな体験”は、事前予約や整理券の導入不足で完全に崩壊。人が集中し、現場はカオス状態。
◆【建設の遅れと未完成パビリオン】
◆ オープン時点で未完成のパビリオンが複数
→ 特に海外パビリオンは建設業者との契約遅延や資材高騰により、8カ国以上が未完成。来場者から「期待外れ」との声も。
◆ 地盤と設計変更が工期を圧迫
→ 軟弱地盤により工事が遅れ、設計変更も発生。突貫工事のツケが回っている。
◆【インフラ・設備の弱さ】
◆ トイレが詰まる!? Wi-Fiが使えない!?
→ ガラス張りトイレの“デザイン重視”に不評の嵐。通信環境も整っておらず、キャッシュレス決済も不徹底。来場者の不便さがSNSで拡散。
◆【天候への対応不足】
◆ 雨に打たれ、逃げ場がない
→ 会場は屋外中心で、テントや雨宿りスペースが少ない。雨が降ると案内板も使いづらくなり、天候対策の甘さが露呈。
◆【コストと国民感情の分断】
◆ 「2億円のトイレ」「1万円の荷物預かり」への怒り
→ チケット売れ行きも低迷。高額運営費(建設費2350億円)に対する「税金の無駄」という批判が広がる。
◆【安全性の不安】
◆ メタンガス、大屋根崩壊リスクの指摘も
→ 開催前の火災事故(2024年3月)も含め、「夢洲という土地の選定自体が甘かったのでは?」という声が上がっている。
◆ それでも、希望を捨てるには早すぎる
万博は半年間開催されます。
まだ始まったばかりです。
◆ 「いのち輝く未来社会のデザイン」
そのテーマが空虚なものとならないために、今こそ必要なのは「誠実な運営の修正」と「現場目線の改善」。
不満の声を「クレーム」として切り捨てるのではなく、「設計ミスのフィードバック」として受け止め、進化していけるか――。
大阪万博の真価が問われるのは、まだまだここからです。
きっと…。
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