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お盆の正式名称を初めて知った話

  • 執筆者の写真: yuki kato
    yuki kato
  • 7 日前
  • 読了時間: 4分
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お盆とは何か?その正体を掘り下げる


お盆というと、多くの人が夏の長期休暇や帰省ラッシュ、お墓参りを思い浮かべるはずです。

しかしこの行事のルーツをたどると、仏教の教えと日本古来の風習が絶妙に混ざり合った、かなり複雑で奥深い文化であることが分かります。


■そもそもお盆の語源は?


お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)。

サンスクリット語のウランバナが語源で、意味は逆さ吊りです。

うらぼんえ、と入力すると予測変換で出ますwww


なぜそんな物騒な名前なのかというと、仏教の経典に登場するエピソードが由来です。


お釈迦様の弟子である目連尊者は、亡くなった母が地獄で逆さ吊りにされて苦しんでいることを知ります。母を救うためにお釈迦様に相談すると、僧侶たちに供物を捧げて功徳を積みなさいと助言されました。それを実行したところ母は無事に成仏します。これが盂蘭盆会の始まりとされます。


つまりお盆は祖先の霊を供養して救う期間という宗教的意味合いが強い行事だったわけです。



■日本風にアレンジされたお盆


日本にはもともと祖霊信仰があり、亡くなった家族はお盆の時期に帰ってくると考えられていました。

仏教が伝来すると、この祖霊信仰と盂蘭盆会が融合し、今の形になったのです。


■お盆の流れ(8月13〜16日)


1. 迎え火(13日)

麻がらやおがらを燃やし、祖先の霊が迷わず帰ってこられるようにする。玄関や門口で焚く火は道しるべの役割を持つ。



2. 中日(14〜15日)

仏壇や盆棚に供物を置く。キュウリの馬やナスの牛は、早く帰ってきてゆっくり戻るという意味を込めて飾られる。ただし地域によって解釈が逆になることもある。



3. 送り火(16日)

再び火を焚き、霊を送り返す。京都の五山送り火が特に有名。



■地域による違い


全国的には8月13〜16日が主流ですが、東京など一部都市部では7月に行う新盆が一般的です。これは明治時代に新暦へ合わせたためで、日本国内でも時期が異なる地域があります。



■お盆の小ネタ集


1. お盆の海は危険という言い伝え

お盆に海や川で泳ぐと足を引っ張られるという話があります。水難事故防止のための戒め説が有力ですが、祖霊に連れて行かれるという民間信仰も背景にあります。



2. 盆踊りのルーツ

盆踊りは本来、祖先の霊を慰めるための踊り。今では夏祭りの娯楽として定着していますが、起源は供養行事です。



3. 渋滞もお盆文化の一部

高速道路の帰省ラッシュは毎年恒例。NEXCOのデータではお盆期間中の渋滞が50kmを超えることもあります。



4. お供え物の地域差

東北ではりんご、九州ではマンゴーなど、地元の特産品がお供えになることが多い。スーパーの売り場にも影響が表れます。



■現代マーケティング目線で見るお盆


お盆は宗教行事であると同時に、経済的にも大きなインパクトを持つシーズンイベントです。


・旅行業界:帰省とレジャー需要で稼ぎ時


・小売業界:お供え物、精霊馬、線香、果物、花の売上が急増


・外食業界:家族での会食需要が増える


・EC業界:帰省しない層に向けたギフト配送キャンペーンが活発化



近年ではオンライン墓参りやお盆ライブ配信供養といったデジタル化も進行。今後はARやVRでの仮想お盆体験が普及する可能性も高いです。




■お盆は帰る理由の文化


普段は離れて暮らす家族や親族も、お盆になると帰る理由が生まれます。これは海外では珍しい文化です。

親族や友人と集まる大義名分であり、地域や家族の絆を再確認する機会でもあります。


言い換えれば、お盆は宗教行事でありながら社会の中で人と人を再接続する仕組みとして機能しているとも言えます。



■まとめ


お盆は、仏教の盂蘭盆会と日本の祖霊信仰が融合して生まれた文化です。

祖先を迎え、送り、供養するという本来の意味を持ちながら、現代では家族の再会や地域の行事、経済活動など多面的な役割を担う行事として続いています。

一見するとただの夏休みに見えますが、そこには数百年にわたる歴史と文化が息づいているのです。

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