BNIは本当に儲かるのか?分解すると見える会費ビジネスの構造と黒字会員2割という現実
- yuki kato
- 20 時間前
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BNIという組織を、
分解すると見える構造がある。
BNIにおいて経済的な投資メリットを得られる会員は、全体の約2割と推定される。
そしてその当落は入会前にほぼ決まっている。
決めるのは努力ではない。
業種の粗利構造である。
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時間を計上しない
損益計算は成立しない
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BNIは世界最大級のビジネスリファーラル組織として知られる。
紹介が制度化され毎週の定例会で貢献が可視化される。
真面目に取り組めば必ず成果が出ると言われている組織。
しかしこれには決定的な欠落がある。
損益計算の分母に時間が入っていないのである。
年会費と運営費で現金は約25万円。
定例会・1to1関連・研修・リファーラル関連・ビジター対応を加えると稼働は月35時間程度にはなる。
年間420時間。
時間単価5000円で換算すれば210万円分のコストがかかっている。
つまり実質コストは年間約235万円。
この回収可能性を問わずに成果を語ることはできない。
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業種は3層に分かれる
当落は入会前に決まっている
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回収力は業種によって桁違いに異なる。
粗利構造で分解すると3層に分かれる。
◆第1層
1件で回収できる業種
・生命保険(1契約のLTVが数十万〜百万円超)
・不動産売買仲介(1件の手数料が百万円単位)
・注文住宅・大型リフォーム
・M&A仲介
・高額Web制作
・税理士顧問(顧問料×継続年数で1件200〜300万円)
この層でも黒字転換には年3件前後の成約が必要となる。
チャプター40席のうち該当する席はせいぜい8〜10席。
◆第2層
件数を積めば回収できる業種
・社労士・行政書士の単発業務
・人材紹介
・印刷
・損保単体
・中規模Web案件
・リース・オフィス関連
1件の粗利が10〜30万円。
235万円の回収には年10〜20件の成約が必要となる。
毎月1〜2件を成約し続ける計算であり紹介の質と本人の稼働がすべて噛み合って初めて届く水準だ。
回収可能圏ではあるが確実とは程遠い。
40席中10席前後。
◆第3層
構造的に絶望な業種
・飲食店
紹介1件=来店1組で粗利3000円程度。
235万円の回収には年約780組の送客が必要となる。
35人のチャプターが週15組ずつ送り続ける計算。
物理的に不可能である。
・美容室・整体・エステ
客単価×粗利で1人あたり数千円。
リピート化しても回収には数十人の固定客化が必要となる。
しかもチャプター内の35人はすぐ飽和する。
・コーチ・カウンセラー等の低単価個人サービス
単価が低い上に知人へ勧めるハードルが高い。
そもそも紹介自体が発生しにくい。
・物販小売・雑貨
粗利率も単価も足りない。
◆第3層に共通する死因
第1層はメンバーの向こう側の知人に商品が刺さる。
経営者の顧客や友人という奥行きがある。
一方で第3層はメンバー本人が客になるしかない。
市場に奥行きが最初から無い。
業種にによって、2次元だったり3次元だったりする。
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回収できない会員は燃料である
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そしてここが一番シビアなこと。
第3層の存在は設計上の欠陥ではなく、必要な部品です。
1業種1名ルールで席を埋めるには回収不能と分かっている業種にも席を売るしかない。
しかも飲食店や美容室は紹介を出す側として極めて優秀だ。
客との接点が多く地域人脈が広い。
つまり第3層は会費と時間を差し出しながら第1層へ紹介を供給する燃料として機能している。
回収できない人がいるから、
回収できる人がいる。
ゼロサムに近い内部再分配。
これがBNIの骨格なのである。
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賑わっているチャプターの正体
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見学に行くと圧倒される。
満席の定例会・飛び交う感謝・読み上げられる成約金額。
しかしこの賑わいは、
このように分解できる。
◆賑わいの4つの生成装置
・出席義務
欠席が続けば除名対象となる。
つまり満席は人気の証明ではなくルールの産物である。
・ビジター招待の制度化
会場の熱気の一部は会員が義務として連れてきた見学者で構成されている。
賑わいそのものが勧誘の演出装置として設計されている。
・リファーラル件数のKPI化
週次で件数が集計され貢献が可視化される。
すると身内で回す形式的な紹介や成約見込みの薄い紹介が量産される。
測定される数字が目標になった瞬間に数字は実態を映さなくなる。
・サンキュー金額の自己申告制
読み上げられる成約金額は自己申告の累計。
粗利ではなく売上ベースであり、ほとんど検証されない。
年間数億円の実績を誇るチャプターの数字から各会員の実際の粗利を逆算した者はいない。
◆賑わいと回収は別の変数である
チャプターの活気は、
会員の黒字を意味しない。
むしろ逆の因果すらある。
賑わいを維持するための出席・招待・件数のノルマこそが月35時間という原価の正体だからである。
活気があるチャプターほど会員1人あたりの時間コストは膨らむ。
賑わいは成果の証拠ではなく、
費用の別名といえる。
そして毎年3割前後が入れ替わる新陳代謝は満席の風景の裏に隠れる。
去った人は語れず、
残った人だけが語る。
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上部構造の収益とは?公表されない金の流れをフェルミ推定する
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では会員が差し出した金はどこへ流れるのか?
この部分は明確に公表されていない。
だが公開情報の断片を組み合わせれば精度の高い推定は可能だ。
◆金の流れは4層構造
会員→リージョン(EDのフランチャイズ)→ナショナルオフィス→米国グローバル本部。
BNIはコンビニと同じフランチャイズ事業である。
米国の開示資料ではフランチャイジーは総収入の20%をロイヤリティとして上納しさらに1〜3%のマーケティング費を負担する。
これが骨格。
◆日本全体のグロス収入
・年会費:会員約12000人×約17万円=約20億円
・登録料:年間退会率3割と仮定し新規補充約4000人×33000円=約1.3億円
・研修・イベント・ビジター参加費:数億円規模
合計で年間23〜26億円が会員から吸い上げられていると推定される。
◆ED(エグゼクティブディレクター)の取り分
仮に1リージョンが8チャプター×平均35名=280名を抱えるとする。
グロスは280名×17万円=約4800万円。
ここからグローバルへの上納で約1000万円。
事務局人件費・イベント運営・義務研修のコストで1000〜1500万円。
残る営業利益は概ね1500〜2500万円。
中堅企業の役員報酬クラス。
◆利益の本当の源泉
EDの利益を支えているのは会費収入そのものではない。
管理労働を会員に無償外注できる設計である。
新規会員の勧誘もフォローも既存メンバーが無償で行う。
三役は週数時間から10数時間の運営労働を無報酬で提供する。
ディレクターコンサルタントに至っては自分の年会費を払いながら働く。
普通の企業ならこの労働だけで年間数100万円分の人件費だ。
◆整理すると
・会員:現金25万円+年420時間を拠出。リターンは確率的
・三役・DC層:払いながら働く。実質マイナス
・ED:年1500〜2500万円規模の確定的収益
・本部:日本だけで年5億円前後のロイヤリティが確定収入として流入
下に行くほど収益は確率的になり、
上に行くほど確定的になる。
会員の成果は宝くじ、
だが本部の収入は年金。
これがビジネスモデルとしてのBNIの本質だと思う。
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黒字者は40人中8人という試算
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第1層10席のうち回収に至るのは5〜6人。
2年目以降の信頼蓄積と本人の稼働が条件となる。
第2層10席からは2人程度。
第3層からはほぼゼロ。
40人中7〜9人。
約2割という数字はこうして導かれる。
なお時間を原価計上しない甘い基準なら、黒字者は4割超まで増える。
肯定派と否定派の体感が永遠に噛み合わない理由はここにある。
そして月35時間という稼働を原価に入れない経営者ほど長く残るため、内部の体感成功率はさらに盛られていく…
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あなたは何を買っているのか?
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ではなぜ赤字でも人は残るのか?
会員が買っているのは、
紹介ではないから。
・毎週自分を待つ人がいるという所属
・経営者という孤独な役割のための観客
・営業活動をしたというアリバイ
損益計算が成立しない領域に商品が置かれている。
だから議論が噛み合わない。
儲かったかを論じる前に何を買ったのかが人によって違うのである。
これは、いま読んでいる読者であるあなた自身の問いにもなる。
あなたの1件あたり粗利×現実的な年間成約数は235万円を超えますか?
月35時間という経営資源の使い道として最適だと言えますか?
計算した上での参加なら投資である。
計算を避けた参加は消費である。
もちろんどちらを選ぶかは自由。
しかし、自分がどちらにいるかを知らないことだけは経営判断として危うい。
楽しいから良い、
という言葉もよく聞こえる…。
でも…はたして…それ、
本当に楽しいんですか?
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